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第24話:気配

 翌日、疾風は早速近所の探索に出かけた。というのも部屋のあまりにも殺風景な姿に薫から最低限の体裁は整えろと言われたからだ。

 (俺は、別にあのままでいいんだけどな。あんまりごちゃごちゃ物があっても圧迫感がな)

 疾風は、自分の好みと他人をもてなす為の体裁とを天秤にかける。

 さすがに最低限の物はそろえたほうがよさそうだ。

 その為にもマンション近辺を把握しておかなければ。

 「とりあえず、飯でも買ってくるか・・・・・・・」

 昨日は結局、晶の部屋でご馳走になったので食料すら買っていなかったのだ。

 「昨日のコンビニでいいかな」

 エレベーターを降り、玄関ホールを歩いていると管理人である三枝さんに呼び止められる。

 「藤堂様。お手紙が届いてますのでどうぞ」

 「どうも」

 手紙を受け取り、送り主の名を見るとそれは両親からだった。

 「何で手紙?」

 とりあえず、手紙よりも自分の食欲を優先することにした。

 コンビニに向かい歩いていると公園の前で昨日会った警官がいた。

 「どうも」

 「ああ、昨日の。どうだい?あれから困ったことはないかい?」

 「はい。とりあえず、数日はここいらの探索をしようかなって。最低限知っておきたい店とかもあるし」

 「大体、駅前に行けばあると思うよ。ただ、電化製品とかなら電車で2駅ぐらいのところに大きい量販店とかがあるよ」

 「まじっすか!!助かったぁ、実家から最低限の物しか送らなかったので同居人にお説教されちゃって」

 「じゃあしばらくは大変だね。また、何かあったらその先の角の交番にでもおいで。私は、上野というんだ」

 「藤堂 疾風です。よろしくお願いします」

 「じゃあ」

 そう言うと上野は交番に帰って行った。

 疾風はそれを見送ると再びコンビニに向かい始めた。その時だった。自分の心臓がドクンと大きく跳ね上がったのは。そして同時に嫌な気が自分の中を駆け抜けた。

 反射的に後ろを振り返るがそこには何もなかった。

 「・・・・・・・・何だよ、今の」

 周囲には何も変化はない。変化があるとすれば青ざめた自分の顔と自分の背を濡らした冷や汗だけだった。



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