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第22話:お願い

 「煉獄れんごく聖焔せいえんか」

 涯は晶の後ろに控えながら、まだ若い主に聞かせるように呟く。

 「お前達の一族の宝剣だろ?何で俺達に?」

 同じく疾風の後ろにさりげなく回り、薫は椿に尋ねる。

 「宝剣は、今我が家で預かっているのですが・・・・、おかしいのです」

 「おかしいとは?」

 「焔の一族は、今、時枝家が一応当主ということになっているのですが、それをお伝えする為、呼び出しの儀を執り行ったところまったく反応がないのです」

 「反応が無いって、いくらなんでもそれはないと思うぞ。主が無いとは言え、代々の当主の呼びかけには答えることになっている」

 「俺と薫も一応、呼びかけには答えていた」

 「はい。なので今度こちらに宝刀を持参しますので見ていただきたいのです。それともし精霊同士で連絡が取れるのならお願いしたいのです」

 椿の心底困った顔を見て、疾風は手伝ってあげたいと思った。

 「なぁ、薫の風でどうにか出来ないわけ?」

 「一応、風を送ることは出来るが、自ら連絡を絶つということは俺達との接触も拒む可能性があるんだぞ。それにな・・・・・・・」

 「疾風、お人よしがすぎます。これはあくまで焔側の事情です。我々が首をつっこむわけにもいかないでしょう」

 「だけどさ・・・・・・・・・」

 疾風のしょぼくれた様子を見て薫はやれやれと思う。跡取としては、そうやすやすと自らの宝刀の精霊の力を他家に貸すようなどではいけないんだが。

 (まぁ、それが疾風の良い面でもあり悪い面か)

 「仕方ない、主の願いだ。風だけは送っておくが、その後は保証できんぞ」

 「ありがとうございます、疾風様、薫様」

 椿の嬉しそうな顔を見て、疾風は顔を赤らめながら早口に答える。

 「いいって」

 そんな疾風の様子を見て、晶はこの先を少し不安に思ったが、自分がフォローすればいいとを腹をくくった。

 


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