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第15話:東京の日常

 凛の忠告を守り、そのまま公園で時間を潰しているとサイレンの音が鳴り響く。そのサイレンの音を追うようにマイクを通した人の声がする。

 公園内を見渡すと柱の上の方にスピーカーが取り付けられていた。

 「住民の皆様。政府からのお知らせです。先ほど発令されました屋内退避命令が解除されました。ご協力ありがとうございます」

 そのアナウンスが終了するやいなや、周辺の建物からたくさんの人々が現れる。

 「今回は時間取られなかったな」

 「そうね。やだ、急がないと昼休み終わっちゃう」

 「ママー。もうお外で遊んでもいいの?」

 様々な人の声が溢れた。

 (これだけの人が退避してたのか・・・・・。でも、何で?)

 「君、もしかしてずっと外にいたのかい?」

 疾風が人の波をボーっと眺めていると警官が話し掛けてくる。

 「はい」

 「駄目じゃないか。退避命令が出ていただろう?」

 「あの・・・・・・俺、今日東京に来たばかりで。退避命令ってのも聞いてなかったんです」

 「そうなのかい?これは頭ごなしに失礼したね。君もこれから東京に住むのなら政府からの退避命令が聞こえたら、どこでもいいから建物内に退避しなさい。住民の方もちゃんと心得てるから」

 「はい。あのこの住所の所ってもう行けますか?」

 「どれどれ・・・・・・・。ああ、もう行けるよ。そこの信号を渡ったすぐそこだよ」

 「ありがとうございます」

 「いや、これからは気をつけてね」

 そう言うと警官は去って行く。

 あの様子では政府からの退避命令は、日常生活であたりまえのことなのだろう。もしかしてこれが椿さんが言っていたことの一つとか。

 疾風は、思った。これから始まる新生活はかなり波乱含みな生活になるのかもしれないと。


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