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第9話:当主会からの呼び出し

 朝、疾風が朝食を取ろうとダイニングへと向かうとそこにめずらしく父親の姿があるのを見て驚く。

 当主会の幹部、それも風軍の将である父は、何かと忙しく一緒に朝食を取るなどめったにないからだ。

 「おはよう。めずらしくない?親父、仕事は?」

 「お前に話があって待っていたんだ。座りなさい」

 「起こしてくれればよかったのに」

 疾風は、父親の正面に座ると話が始まるのを待った。

 「当主会から命が出た。今日の午後、本部に顔を出すようにとのことだ」

 「本部?ってことは俺の配属が決まったわけ?」

 「詳しいことはその時話す。ただ・・・・・・」

 「ただ?」

 「ただ覚悟はしておくように。分ったな?」

 それだけ言うと父親は先に行くと言い、出て行った。

 「・・・・・・・・嫌な予感がするな」

 疾風は、こういう時の自分の勘がはずれないだけに不安がつのるのだった。

 午後になり、疾風は本部へと向かった。

 本部は、首都である京都市内のオフィス街にある。かなり立派な作りの建物で表向きは国内でもかなりの大手の企業である。

 なので一応、疾風もスーツを着ているがしっくりはこない。周囲の人間からすれば何故こんな子供がと思われているだろう。

 疾風は、受付の横にあるエレベーターに乗り込み、最上階である15階へと向かう。

 エレベーターのすぐ側にある受付に名前を告げると一番奥の部屋へ行くようにと言われた。

 そのドアの前には、当主会室とプレートに書いてある。文字通りここは、扉の一族の各一族の当主や幹部達が集まる部屋である。

 扉の前に立つと中からは、かなり張り詰めた空気がもれ出てきているのを感じる。

 (うへー、帰りてー)

 疾風は、怖気づく心を叱咤し、ドアをノックする。

 コンコン。

 「藤堂 疾風です」

 「入れ」

 中から返事がし、扉の鍵が開いたので疾風は、部屋の中へと入る。

 部屋に入りざっと中を見渡すとかなりの広さを持つ部屋だということが分る。会議でもするのだろう円状に配置された机には数人の幹部らしき人間達がいた。

 一通りの確認を終えた疾風はふとあることに気が付く。自分の左隣に同じように呼び出しを受けたと思われる人物が立ってることに。

 「・・・・・・・晶?」

 「久しぶり、疾風」

 そこに居たのは幼馴染で地涯ちがいの一族・総領家の跡取である桂木 晶かつらぎあきらだった。 


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