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闇を光が照らす時

作者: えかな
掲載日:2005/04/30

この時、少女はすべてを失った。

家も家族も友人も、そして夢や希望も・・・

前もそうだった。

少女が望んだものは・・・

全てくずれていく、

《お前はなにも望んではいけない》

幼い頃のおばあさん言葉を思い出す。

(わたしのせいだ。わたしが魔女だから)

少女は金色の大きな瞳に涙をいっぱいにためた。

焼け野原となってしまった村の入口で少女は昔、友人に教わった歌を悲しげに唄っていた。

「どうしたの?」

後ろから突然声がした。

そこにいたのは少女より少し年下の女の子。

「どうしてそんなに悲しい顔しているの??」

大きな黒い瞳が少女をのぞきこむ。

涙で女の子の顔がよく見えない。

「わたしねマーサっていうの。お姉チャン、お名前なんていうの?」

マーサは無邪気にたずねる。

「レイ」

少女は初めて言葉を発した。

「レイお姉ちゃんかぁ〜、いい名前ダネ。」

マーサは少しうれしそうに言った。

そして悲しげに

「レイお姉ちゃんの村も襲われたの?」

とつぶやいた。

少女―レイは今度は言葉を発さず静かに頷く。

「じゃぁ〜マーサと同じダネ・・・。」

マーサはそう言ってレイの方に手を伸ばした。でもレイはその手をよけ、悲しげにつぶ

「私には、さわらないほうがいい。」

レイの瞳は氷のように冷たくなっていた。

「?」

「私はフォレバー族・・・

呪われし一族だ!!この村も私がいたから滅びた・・・

私は何度も・・・!!?」

マーサは何も言わずにレイの手にふれた。

「マーサの村ではね、フォレバーは永遠、レイは光って意味なんだよ。」

マーサはそう言ってレイに微笑む。

一瞬だけレイの瞳が揺れる。しかし。

「だから・・・だから何?私は光なんかじゃない!!呪われた魔女だ。お前だって知ってるだろ!フォレバー族が望むものはみんななくなる・・・・・

この村みたいに。

私は何度も大切な人をなくした。。。」

レイそう言ってマーサの手を振り払う。

またレイの瞳は氷のように冷たくなっていた。

「お姉ちゃんは魔女なんかじゃないよ。」

マーサはもう一度レイの手にふれる。

「マーサね、さっきお姉ちゃんが歌っていた歌聞いてたらね、ずっと止まらなかった涙が自然に止まったの。それでね、なんだか心が暖かくなってきたんだよ。」

マーサは握った手に力をこめた。

「お姉ちゃんは魔女なんかじゃない!天使だよ!!」

マーサはそう言って今度はレイにとびついた。

そのときなにかが変わった。

闇を光が照らすように。

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― 新着の感想 ―
[一言] 短いお話でしたが、よかったです。ファンタジーよりも、童話にカテゴライズするとよいかと思います。
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