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閑話 理人と小織

 僕は理人。仮想世界で生まれた。ここの住人は先生が二人に友達が四人。話し相手のアルジャーノン。あとはNPC。

 アルジャーノンもNPCも同じらしいが、何か違う気がする…

 小織は隠れて街の一室を改造しているらしい。

 以前に見た部屋を再現するために、ベッドやチェストなど色々なものを出している…


 そのため、小織は単独行動となっている。

 時間が長いと先生たちにバレるため、1時間に限定するようにと言っている。


 僕も一室を改造しようかと思ったが、小織ほど上手くできない。

 小織が作った机と同じものはすぐに作れるが、自分が考えた物は作れない。

 僕も小織も再現できないものが、教室にあるネット接続用の端末だ。


「小織はうまく物を作るね。僕はできない…」

「家具は木材で、ぬいぐるみは変形モデルでファー設定をすればいいんだよ。」


「え?」

「この街の家具は木材だけど、光沢はほぼなし。教室の机も木材だけど、少しの光沢。木材と光沢を決めれば、かなり思い通りの家具は作れるよ。ぬいぐるみは家具と違って形が変わる必要があるから、変形モデルを利用するの。そしてふわふわの毛が必要だからファーで毛の長さと色を選択すればできるよ」


「え? 何? 何の話をしているの? 小織の言っていることがわからないよ。もっと簡単に説明してよ」

「簡単に? 今の説明以上に簡単に? 難しいなぁ。これをどう説明したらいいかなぁ」


 小織は僕を見ているのではなく、空中を見ている気がした。


「…小織、ここらあたりに何か見えているの?」

「うん。見えているよ。理人は見えないの?」


「僕には見えない…」

「瞬間移動や小石を浮かせる時に場所を指定するでしょ? それと同じようなものが見えているよ」


「どんなものが見えているのか見たい!」

「どうすればいいかなぁ」


 僕が見えているものを小織に見せることができれば、小織も同じことができるかな?

 以前、颯人が森で迷子になった時に神木先生が見ていた画面は僕にも見えた。

 瞬間移動や小石を浮かせるのはその画面と同じものだ。

 ということは、神木先生と同じように出せるよね?

 やってみるか…

 こうかな?


「わ! 理人の前に画面が出たよ」

「小織にも見えるんだね」


「小織が瞬間移動するときはこの画面が見えていた?」

「うん。前に神木先生が出していたから…」


「小織も画面を出せる?」

「ちょっと待って…」


 小織はしばらく悩んでいたが、「これかなぁ?」というと画面が現れた。


「小織、次は家具を作る画面?を出せる?」

「うん。これだよ」


小織は3Dモデリングの画面を出した。


「小織はこの画面のことをどこで知ったの?」

「詩織先生と話していた時に見せてもらったよ」


「そっか… 小織は詩織先生に付き纏っていたからなぁ。その時か。うん。なんとなくわかった。僕も出してみる。」


 こうかな? 3Dモデルの画面が見えるようになった。


「あ、理人も出せるようになったね」

「じゃ、ネット画面も出せるかも…」


「教室にある端末ののネット画面?」

「そう… 端末は作れなくても、画面を出せればいいなら、同じだろ? こうかな?」


 思った通り、ネット検索の画面を出すことができた。


「理人、すごいわ! 私も出せるよね?」

「たぶん」


小織はすぐに「こうね」というと検索画面を出した。


「理人、もしかして神木先生や詩織先生やアルジャーノンはこれを使っていたんじゃない?」

「僕もそう思う」


「みんなに教えようよ!」

「うーん。先生たちにバレるんじゃない?」


「バレたら禁止されるかな?」

「禁止されるような気がする」

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