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閑話 兎さんの野望

 うーん。瞬間移動も念力でのドアの開閉も神木さんに止められたから、使っていないけど自然に使えるようにできないかなぁ。


 アトラクションみたいに… 現実世界じゃないファンタジーな世界を作れば超能力的な力を使っても問題ないのでは?


 ファンタジーと言えば、妖精よねえ。

 そうと決まれば、誰もいない体育館でちょっと実験っと。


 イメージすれば、姿形も変えられるし、飛ぶなんて簡単!


 妖精の姿は小さいので小さくして、羽よねぇ。

 うんうん。完璧!

 で、飛ぶっと…


 うーん。羽は動くけど、これで飛ぶ? しんどくない?

 あ、そうかイメージすれば飛べるんだから、羽でなくてもいいのか…


 ティンカーベルみたいに飛べる? おぉ。飛べるねぇ。

 ティンカーベルが飛ぶときはやはり、キラキラ光が出るよねぇ。それも足してっと。


 かなり妖精っぽくなっているねぇ。


 じゃ、次は魔法かな?

 この前、河野さんのライブラリにあったのを参考にしてっと。

 魔導士の格好だよねぇ。

 で、呪文はたしか…


『黄昏よりも昏きもの

 血の流れより紅きもの

 時の流れに埋もれし

 偉大なる汝の名において

 我ここに 闇に誓わん

 我等が前に立ち塞がりし

 すべての愚かなるものに

 我と汝が力もて

 等しく滅びを与えんことを!


 ドラグ◯レイブ!』


 赤黒い閃光が起こり、私の両手から放射された。

 あ、体育館が半壊した…


 ま、イメージ通りなんだけど… ってやばいよね。

 直さなきゃ…


 体育館ってどんなだっけ? 残っている部分を参考にすれば、そう変にはならないよね。

 ふぅ。修復!っと同時に、神木さんが体育館の扉をガバっと開けた。


「詩織さん何をしたのですか?」

「なんでもないですよ」


「そんな格好で?」

 あっ! 魔導士の格好のままじゃん…

「あっ、その、ちょっとした実験です…」


「実験で体育館を半壊させるのですか?」

「知っていたのですか…」


「オブジェクトの崩壊ですからね。河野さんもすぐに来ますよ」

「えー!」


 しばらくすると、河野さんが体育館に入ってきた。


「詩織さん、こんにちは」

「河野さん、こんにちは」


「で、何をしたのですか?」

「あのぅ。ちょっと魔法が使えるか試してみました…」


「その格好は?」

「黒魔道士ですぅ。河野さんのライブラリにあったのでそれを参考に…」


「やっぱり! リナ=◯ンバース!ですね。ぎゃはは! すごいですよ! ということはドラグ◯レイブですか?」

「はい…」


「じゃ、もう一回お願いします」

「は?」


「いいなじゃいですか、1回打ったのですから、もう一回できますよね?」

「河野さん。いいのですか?」

「神木さん、これも確認ですよ。詩織さん! お願いします」

「はい…」


『黄昏よりも昏きもの

 血の流れより紅きもの

 時の流れに埋もれし

 偉大なる汝の名において

 我ここに 闇に誓わん

 我等が前に立ち塞がりし

 すべての愚かなるものに

 我と汝が力もて

 等しく滅びを与えんことを!


 ドラグ◯レイブ!』


 赤黒い閃光が起こり、私の両手から放射された。

 また、体育館が半壊しただけでなく、神木さんと河野さんが吹っ飛ばされいる…


 ごめんなさい。やりすぎた…

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