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仮想空間の改善 その2

 兎さんの仮想空間の改変?は好きにさせることになったが、観察だけは行われている。

 その観察結果を河野さんに見せてもらった。

 観察結果はそれぞれの部分で変更結果がまとめられている。


 それによると、寝室のベッド、ドレッサーの改変が行われている。

 1時間で10回更新し、2時間あけてまた更新と何度も細部までこだわったようで、合計35回の改変を実施している。


 確かに、ベッド、ドレッサーは毎日使って、見ているものだから、拘るよねぇ。

 ベッドって、兎さんは寝ないよね? なのにベッドに拘るのはどうしてかな。

 ん? 寝室は見れないのでは?


「河野さん、寝室は見れないのに、どうして改変の結果があるのですか? もしかして、覗いています?」

「そんな、犯罪者みたいに見ないでください! 仮想空間のオブジェクトの出現と変更を記録しているだけです! 寝室を見ているわけではないです」

「そうですか。わかりました」

「本当ですよ!」

「わかりましたって」


 最初は服を大量に出してクローゼットに入れているね。

 私のクローゼットの中身にそっくりだね。

 あー! もしかして、私のブラとパンツも入っている!


「河野さん、私の下着を見ましたね」

「ごめんなさい…」


 ドライヤー、ヘアアイロン、歯ブラシなどの身の回りの製品を出している。

 これも、日頃使っているものと全く同じだね。


 でも、今はクローゼットの服はなくなり、ドライヤーなどの身の回りの製品は消えている。


「河野さん」

「他は見ていませんよ!」

「わかりましたよ。それより、どうしてクローゼットの服やドライヤーとかの身の回りの製品を消したかわかりますか?」


「全体を時系列で見ると、服の変更はクローゼットの位置の近くだったですが、今はドレッサーの近くで行っています。そんな目で見ないでください! 位置だけです! 覗いていないですからね!」

「わかりました。続けてください」


「おそらく、最初はクローゼットの服を選んで服を変えていたようですが、イメージするだけで変更できるのですから、クローゼットで選ぶ必要がないことに気づいたのでしょうね。髪型などもイメージで変更できるので、ドライヤーなども必要ないのでしょうね」

「なるほど」


「そう言えば、髪型の変更は数え切れないほど実行しているためなのかわかりませんが、兎耳はつけていないようです。そのため、神木さんは『詩織さん』と呼んでいますよ」

「そうですか」


 兎さんの改変はピアノでも行われ、鍵盤の弾きごごちは完璧になったようだ。

 そのため、日課のようにピアノを弾いている。


 また、ピアノを弾くために音楽室に行く方法も、ワープしていたが今は歩いて行っている。

 で、ワープってなによ!


「河野さん、『ワープ』ってなんですか?」

「空間の移動です。見た目は急に消えて、別の場所に現れます。おそらく、自分の座標をイメージで変更していると思いますが、どうしてそんなことができると思ったのでしょうね」


 同じく、扉なども最初はイメージで開閉を行なっていたが、手で行うようになっている。

 うーん。これも、超能力者のレベルよね。


 一方、神木さんはイメージでの操作は詩織さんほど上手くできないようで、端末を利用する方法で仮想空間を変更しているが、小説だけはイメージだけで変更を行っている。


 新規に仮想空間で増えたものはお風呂! さすが私! しっかり、プライベート空間に作っているね。

 アバターだから、お風呂は不要なはずだけど、リフレッシュには必要だよねぇ。

 さすがに、トイレは不要だから、作っていないね。

 お風呂にいる時間… こんなもんか。


「河野さん、お風呂は見てないですよねぇ…」

「プライベート空間にありますので、見ていないです!」


 兎さんも神木さんも食事は不要なはずなのに、食事の改良には熱心に行っている。

 神木さんの希望かな? 生姜焼き定食が最初に出来上がったっている。

 今はステーキや刺身などの素材の噛みごごち、味の再現に挑戦している。

 さらに、調味料にも挑戦しており、砂糖、塩、胡椒、唐辛子、味噌、醤油が出来上がっている。


「河野さん、食事の改良で、素材の噛みごごちと味の再現と調味料の再現って、料理をしようとしているのですか?」

「おそらくですが、生姜焼き定食を作っても、肉や野菜を個別に噛みごごちと味を設定する必要があるようです。だったら最初に素材毎に設定して組み合わせる方が効率的と考えているのではないでしょうか?」


「素材を組み合わせて料理をするってことですか?」

「たぶん… 仮想空間ですから、彼らが素材の組み合わせで料理できると思ったのならできると思いますが…」


「できないのですか?」

「わかりません」


「素材ってものすごくありますよね? ものすごく時間がかかりませんか?」

「50時間以上かけていますよ」

「兎さんも神木さんも暇なのかなぁ」

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