千織の『えぃ』
神木:「え?」
河野:「何が起こったのですか?」
詩織:「どうしたのですか?」
神木:「ロケット内のパケットが一気に増えました。パニック状態のようです」
うーん。何?パニックってと思っていると、アンジェが急に現れた。
アンジェ:「レールガンをいきなり発射するな! 2発もどこに撃ったんだ?」
詩織:「ここでは、レールガンを撃っていませんよ」
アンジェ:「そうか… では誰が撃ったんだ? まぁいい。調べる」
アンジェは怒りながら、端末で調べ始めた。
騒ぎを聞いた千秋先生も一緒に調べ始めた。
神木:「ロケットの人工衛星が破壊されたようです… おそらく、こちらのレールガンですね。それでロケット内の通信量が増えたようです」
詩織:「え!? 攻撃したってことですか?」
神木:「そうなります…」
詩織:「場所はわかっていなかったのでは?」
神木:「はい。場所はわかっていませんでした。詩織さん、対応をどうしますか?」
詩織:「どうしますと言われても… あっ、反撃があるのでは? アンジェ、反撃に備えてください」
アンジェ:「ん? 反撃? なるほど。準備する」
うーん。『攻撃しちゃった。てへぺろ』なんて言ってもダメだろうなぁ… どうしよう。
『私たちではありません。宇宙人の攻撃では?』って無理だね。
他人のせいにするのはねぇ… 宇宙人は他人? はぁ。ダメだろくな考えが浮かばない…
河野:「人工衛星が2機壊れたので、ロケット側は人工衛星に対してレーザー通信の確認を行ったので、すべての人工衛星の位置がわかりました。壊れた2機の人工衛星は我々に近い位置に存在していたもののようです」
詩織:「うーん。こちらが破壊したことは確実なようね…」
千秋:「レールガンを打ったのは千織のようだ…」
詩織:「千織ちゃんが? 千織ちゃんは赤ちゃんですよ」
千秋:「そうだが… ログからそう判断できる…」
詩織:「千織ちゃんに話を聞きましょう」
千秋:「そうだな」
私は琥珀に部屋に転送してもらった。
私と千秋先生が現れたので、千織は走ってきて私に抱きつく。
あれ? 走れたっけ? 頭にクエスチョンマークが出たが、千織を抱き上げた。
詩織:「千織、いい子にしてた?」
千織:「うん!」
詩織:「私がいない間に何をしてたの?」
千織:「お絵描きー」
詩織:「見せて」
千織:「はい」
千秋先生と千織が書いた絵を見た。これは、人工衛星かな…
詩織:「これは何を書いたの?」
千織:「うーん。悪いの。うるさいの」
詩織:「えっと。ちおり、その悪いのに何かした?」
千織は、空の1点に向かって手を動かした。そして、他の1点に向かって手を動かした。
詩織:「追っ払ったってこと?」
千織:「うん。追っ払った。うるさくなくなったの」
詩織:「千織、千秋先生とお話しがあるので、琥珀と遊んでいてね…」
琥珀は、ビクッとしたがそれより話し合いが重要だ。
千織は、「はーい」と言って、琥珀に手を伸ばした。
詩織:「千秋先生、どう思います?」
千秋:「千織は、人工衛星を認識できていて、人工衛星がうるさいと思ったのだろうな」
詩織:「ブンブン飛び回るハエみたいに思ったのかしら…」
千秋:「ハエか… 人工衛星が発する電波なんかをそう感じたのかもしれない」
詩織:「電波なんて感じないでしょ?」
千秋:「千織にとってはそうなのだろう」
詩織:「そのうるさいハエを『えぃ』とレールガンで撃ち落とした?」
千秋:「そうなる」
詩織:「はぁ。まいったわね…」
千秋:「千織をちゃんと教育しろ! 私はレールガンのアクセス制限を見直す」
詩織:「わかりました」
千秋先生はオペレーションルームに戻っていったが、教育どうしよう…




