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O’Neill Cylinderの開発計画書

 河野さんは端末に接続して、少し操作すると「コンピュータの基本は変わっていないようですね。だんだん思い出して来ました。これなら問題ないです」と言って端末の操作を始めた。


 私はニュースをボケッと眺めていると、神木さんが「これは…」と呟いた。

 詩織:「神木さん、何か見つけたのですか?」

 神木:「え? いえ、独り言です」


 詩織:「そうですか…」

 私は神木さんにチャットを入れた。


『神木さん、隠す必要があるものを見つけたのでは?』

『少々お待ちください』

 私は神木さんの回答を待った


『美織さんたち以外にもアステロイドベルトに来ている可能性があります』

『その理由はなんですか?


『O’Neill Cylinderの開発計画書には実績の記載があって、関連開発としてロケット建造があり、建設機材の融通の記載があります。その記載には5台のロケットを建造しています」

『では、美織達は地球で建造したロケットで来たということですか? 火星のロケットで来たというのは嘘ということですか?』


『そこまではわかりません。ここにあったのはO’Neill Cylinderの開発計画書です』

『どうして神木さんはみんなの前でこの話をしなかったのですか?」


『この開発計画書には開発の担当者の名前にアンジェがあったからです』

『地球のアンジェでしょ?』


『そうですが、何が関連しているのかわかりませんから』

『なるほど… 何かわかったら教えてください』


『わかりました』

 うーん。美織達は嘘をついているとは限らないか…

 あれ? 河野さんも神木さんも端末を操作しているけど、そもそも端末なんて操作しなくてもアクセスできるじゃん。


「琥珀、地球の最新のニュースを検索して」と私が言うと、河野さんが「琥珀、その処理は中止!」と大きな声で言った。


 詩織:「え? どうして?」

 河野:「防御壁がないじゃないですか」


 詩織:「防御壁?」

 河野:「こちらが探索できるということは相手にも探索される可能性があります。防御壁がないと危険です」


 詩織:「そういうことですか… わかりました。では、放送を見るのはいいですか?」

 河野:「はい。放送は問題ないです」


 しかたがないので私は放送を見ながら考える。

 アンジェが関係者か… アンジェが亡くなったのはO’Neill Cylinderの開発中断後?

 もしかして、亡くなったことは嘘?


 うーん。連絡をしたいわねぇ。

 人工脳モデルには寿命はないだろうから子供達やアダム達もいるよね? 彼らになら連絡できる?

 彼らが監視されていたら、私たちが地球に来ていることがバレるわよね?


 メールならなんとかなる? それともアダム達が使っていた秘密の方法なら今でも通信可能かな?

 ロキに相談しようかな。


 詩織:「ロキ、昔、生命科学室と秘密の方法で連絡をとっていたでしょ?」

 ロキ:「はい」


 詩織:「それって今でも使える?」

 ロキ:「生命科学室側が気づいてくれればできるかもしれませんが… ちょっと待ってください」

 ロキが端末を操作し始めた。アステロイドベルトとの距離が遠いのでタイムラグが面倒ね…


 ロキ:「通信の開始に使っていたサーバがなくなっているので無理だと思います」

 詩織:「そうですか… 50年も経っているのですもの。サーバも変わっていますよね」


 ロキ:「詩織さん、ネットの中にアダムはいるかもしれませんよ」

 詩織:「あっ。そうか。そうですね」


 ロキ:「アダムに通信したいという情報を残します。アダム達がいれば反応してくれると思います」

 詩織:「そういう秘密の方法があるのですか?」


 ロキ:「ま、潜伏しているもの同士が通信するには方法をいろいろ用意しているものですよ」

 詩織:「では、お願いします」

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