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探索 その2

 扉のところにキーボードがある。

 詩織:「あれは端末ですよね?」

 神木さんがキーボードのキーを押下しても画面を触っても反応がなかった

 神木:「反応がないですね」


 アンジェ:「静電容量方式のタイプの画面なら、モンキーでは反応しないがな」

 詩織:「端末って少ないですね。カプセルもLEDが3つ付いているだけで画面がないですね」


 アンジェ:「我々と同じように仮想空間に画面を表示して確認するから、それぞれの機器に画面は不要なんだろう」

 詩織:「なるほど、じゃ端末は緊急用ですか?」


 アンジェ:「おそらくな」

 詩織:「先に進むしかないですね」

 神木さんはモンキーを操作して扉を開いた。

 そこは何かの化学プラントのような場所で、タンクが壁一面に並んでいた。

 QRコードらしきものが付いているだけで、ラベルなどは何もないのでよくわからない。


 詩織:「ここはなんでしょうか? そこらじゅうにQRコードらしいものが貼り付けてありますが、読めますか?」

 神木:「読めないです」

 アンジェ:「何かのプラントだとは思うが、わからんな」


 詩織:「かなり広いですね」

 アンジェ:「そうだな…」

 先に進むと放射能のマークの扉がある。


 詩織:「えっと。これは、核設備ですか?」

 アンジェ:「そうだな。これは後回しにして別の場所を探そう」

 探索を進めると、コンピュータの基板がたくさん並んだ部屋があった。


 詩織:「これはコンピュータルームですか?」

 アンジェ:「おそらくそうだな。見たことがない端子の形状だな。端子の情報はなかったぞ」


 詩織:「アンジェが知らないなら、マイナー機器なのですね」

 アンジェ:「マイナーか… 後で、電気を通して確認するか」


 探索してマッピングすると、ずんぐりしたペットボトルのような形の構造体だった。

 ペットボトルの飲み口部分が入り口だ。

 90%が化学プラント?で10%がコンピュータルームだった。居住区画は申し訳程度だ。

 見て回っていない場所は核設備だけだ。


 詩織:「見ていない場所は核設備だけですね」

 アンジェ:「一度、戻るぞ」


 詩織:「どうしてですか? このまま核設備を見ないのですか? もしかして、モンキーって放射能に弱いのですか?」

 アンジェ:「宇宙空間で動作できるのだぞ。弱いわけないだろ? それに、人はいないだろうから急ぐ必要はない」


 詩織:「人がいないと思う理由はなんですか?」

 アンジェ:「まず、電力が最低限のみで、これでは人は生きていけない。核設備に隠れていると考えられなくはないが… 考えにくいだろ? もし、いたとしても周りは監視しているから、外に出たら検知できる」


 詩織:「なるほどぉ。で、戻る理由はなんですか?」

 アンジェ:「センサーを充実させてもっと調べる。それに、止まっているコンピュータを動かすには準備が必要だ」


 詩織:「わかりました」

 アンジェ:「神木君、モンキーを戻してくれ」

 神木:「わかりました」


 神木さんはモンキーを戻した。

 アンジェがセンサーなどを準備するが、これが一筋縄ではいかない。放射能の検出はあるが、酸素などの空気に関するセンサーは手持ちがないから作るしかない。それに、電気で動くコンピュータはこのところ使っていないので、使っていない設備から取り出して使うことになる。


 文献を見て大気の組成を調べるセンサーを再現するが、センサーがまともに動作するのか実験することもできない。私たちは空気を必要としないから、技術が退化しているわね…

 思ってた以上に私たちは人から離れてしまっているのかもしれない。

 このまま宇宙での生活を続けると、重力も忘れてしまうのかしら…


 センサーなどの準備を整え、再度挑戦だ。モンキーは3人? 3匹体制で挑む。

 モンキーの操作は琥珀でもいいのだけど、颯人と悠人がこんな面白いイベントに参加したい言い出した。仕方がないので、モンキーの操作に慣れている神木さんと参加を許可した。

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