未知との遭遇
月日は流れ、私たちが地球を出発してから50年が経過した。
地球から、アンジェが亡くなったと通知が来た。
アンジェが亡くなった通知が来た時は、目の前に元気なアンジェがいるので現実の感じがしなかった。
その後、1ヶ月経過せずに私が亡くなったと通知が来た。
地球の私は年齢を重ねるが私は20代のままなので、意識の差もあるし生活環境が違いすぎるので疎遠になっていた。
千秋先生は私を気遣ってくれたが、私はあまり悲しんでいない自分に気づいて、私って冷たいのかもと思った。
私は気分転換をしようと思い、モンキーで小惑星をウロウロすることにする。
私はモンキーに意識を集中すると、私の体はモンキーと一体化する。
ちょっと移動するか…
私は移動先の小惑星にアンカーを打ち込む。そして、地面に刺さっているアンカーを引き抜いてジャンプする。
それを繰り返して移動して、周りを見る。
『地球はどれだろう? わからないなぁ』と思いながら、周りを見渡す。
気晴らしに、すこしフラフラと移動していると、微弱な金属の反応があった。
「琥珀、あれってC型小惑星でしょ?」
「はいそうです」
「金属の反応って変じゃない?」
「はい奇妙です」
私はジャンプして、金属の反応があった小惑星に着地して移動する。
「金属が埋まっているわね。もしかして、昔のアンカーかしら?」
「いえ、違うようです」
アンカーを打ち込みながら、小惑星の上を移動する。
岩から金属が出ている。もしかして宇宙人の施設? 未知との遭遇?と思いながら近づくと
近づくと扉のようだ。
私たちが利用している扉の形状とは違う。
昔の宇宙のハッチのようにも見える。私たち以外がここに来たのかな?
それとも、私たちと大きさが同じ宇宙人の設備?
「これって、ハッチだよね? インターフォンなんてないよね…」
「はい。ありません」
私は意識を戻した。
詩織:「千秋先生、これを見てください」
私は千秋先生に映像を見せた。
千秋:「我々以外がアステロイドベルトに来たようだな。詩織は何かアクションをしたか?」
詩織:「アクション?」
千秋:「通信だ」
詩織:「いいえ、通信は思いつきませんでした。インターフォンは探しましたが…」
千秋:「はぁ… アンジェ、この設備に心当たりはあるか?」
アンジェ:「ん? なんだこれ?」
千秋:「心当たりはなさそうだな。琥珀、全周波数で英語で通信しろ」
2分待ったが、何も応答がない。
詩織:「応答がないですね。居留守だったりして… この扉は鉄ですか? 最近鉄の扉を見ないので新鮮ですね」
千秋:「鉄だな。我々はカーボンに変更済みなので鉄はなつかしいな。さて、どうするかな?」
我々は構造体もコンピュータも炭素を基本に変更済みだ。さらに、コンピュータは光で統一したおかげで放射線の影響もないため、岩の中に生活するなんてことは考えられない。
昔はどうだったかなぁと思い出すことにする。
詩織:「呼びかけても応答がないなら、ノックしますか?」
千秋:「原始的な振動での通知か… 仕方がないか。琥珀、ノックしろ」
琥珀がモンキーを操作してノックしたが、反応がない。
詩織:「開けますか?」
千秋:「開けるねぇ」
千秋先生はこめかみを指でトントン叩きながら考える。
千秋:「それしかないか。琥珀、開けろ」
琥珀はモンキーを操作して、ハンドルを掴んだがハンドルが回り始めない。
詩織:「琥珀、どうしたの?」
琥珀:「人の筋力では開けられないぐらい硬いです」
詩織:「千秋先生、やっちゃっていいですよね?」
千秋:「そうだな」
詩織:「琥珀、思いっきりやって」
琥珀:「わかりました」
ハンドルが少し歪み始めたらハッチのどこかが壊れたようで、開いた。
名前はモンキーだけど、ゴリラだよねぇ。




