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シロナガスクジラのオヤジ化

 NASAというか地球からウラン235をできるだけ多く、早急に採掘するように指示が来たので、了解したということを返信していると、アンジェが話しかけてきた。


 アンジェ:「詩織、シロナガスクジラ2号機に小惑星が10時間後にぶつかる計算がでた。回避するぞ」

 詩織:「はい。お願いします」


 アンジェがアルジャーノンの回避の指示を出す。

 詩織:「回避できそうですか?」

 アンジェ:「90%の確率で回避できる」


 詩織:「これだけ小惑星があるので完全に回避するのは難しいですね」

 アンジェ:「そうだな。回避を失敗すると大破する」


 詩織:「小惑星の回避は重大な問題ですね…」

 アンジェ:「小惑星は非常に多いから、ぶつかることは仕方がない。シロナガスクジラに設置するロケットの数を増やせば、移動速度が上がるからぶつかる確率が減るぞ」


 詩織:「ロケットの余分に製造する必要がありますし、推進剤の準備も必要ですね。ウランの増産の依頼も来ているので、シロナガスクジラを増やす必要があるのに、頭が痛いですね。ウランが多く含む可能性がある小惑星も取り逃すことも減るでしょうし…」

 アンジェ:「確かに、貴重な鉱物の採集の可能性が上がるが… 推進剤が足りなくなるぞ」


 詩織:「そうですよねぇ。じゃ、飛んでくる隕石を破壊しますか?」

 アンジェ:「破壊? 無理だ」


 詩織:「どうしてですか?」

 アンジェ:「今回の小惑星ですら、軌道を変えるぐらいの破壊は核爆弾でも難しい」


 詩織:「そうなんですか… じゃ、逃げるしかないのですね… 逃げるにしてもロケットを使って自力で逃げるには推進剤が足りない… あっ」

 アンジェ:「どうした?」


 詩織:「うーん。できるかどうかわからないですけど…」

 アンジェ:「言ってみろ」


 詩織:「シロナガスクジラはスパイダーマンに変身してもらえないかなと思って…」

 アンジェ:「スパイダーマンって、腕から蜘蛛の糸を出すヒーローか?」


 詩織:「そうです。蜘蛛の糸って丈夫なんでしょ? その糸を小惑星に飛ばして、小惑星にくっつけて、巻き取れば移動できるじゃないですか? 巻き取るのはモーターだったら推進剤はいらないし…」

 アンジェ:「蜘蛛の糸を小惑星にくっつけても、表面の岩が取れるだけだと思うが… 打ち込めばくっつけることはできるな」


 詩織:「じゃ、スパイダーマンみたいに移動できるようにしましょう!」

 アンジェ:「それができれば、基本はで電力で移動できるか… ロケットの強度計算も必要だし、どうやって小惑星に糸を繋げるかが問題だな。どうやってアンカーを打ち込むかだな」


 詩織:「でも、アンカー?を打ち込むのに推進剤を使ったら、意味がないですよね? これも電気でなんとかできればいいのですけど…」

 アンジェ:「ローレンツ力を使うか…」


 詩織:「ローレンツ力? うーん聞いたことがあるようなないような…」

 アンジェ:「たしか、理人がマスドライバーのことを詩織に説得したいから調べていたから、詩織は知っているだろ?」


 詩織:「マスドライバーって宇宙に飛ばすやつですね」

 アンジェ:「ちょっと違うが、まぁいい。マスドライバーはローレンツ力を使って加速する」


 詩織:「なるほどぉ…」

 アンジェ:「わかってないだろ?」


 詩織:「磁力を使って加速するのでしょ?」

 アンジェ:「知っているじゃないか」


 詩織:「理人は協力してくれるかなぁと考えていただけです」

 アンジェ:「理人には私から話そう」


 詩織:「お願いします」

 アンジェが消えて、しばらくしたらアンジェと理人がやってきた。


 詩織:「理人、スパイダーマンを作ってくれるのね?」

 理人:「スパイダーマン?」

 私と理人が首を傾げていると、アンジェが「スパイダーマンのことはいい、これが、変更案だ」と言って、完成予想図を出してきた。

 シロナガスクジラの口にヒゲ?が何本も出ている。


 詩織:「これはヒゲ?」

 理人:「アンカーの発射装置です。シミュレーションして発射装置の数は増減しますが、これで進めますがいいですか?」


 詩織:「はい」

 理人は喜んでいるけど、口の周りにたくさんのヒゲって… シロナガスクジラがおっさんになっちゃったよ… かわいくない。

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