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納本計画

 私は森で凛ちゃんを膝に乗せて、琥珀にデータを集めてもらった。

 まずは、図書だけど公開データは意外と少ない…


 購入するにはお金がかかりすぎる… どうしようかなぁ。

 ん? 日本には納本制度があるので、国会図書館にはデータがあるよね。


 私はお父さんに連絡したら、すぐに応答が来たので電話する。

「お父さん、お願いがあるんだけど」

「何かな?」


「地球にもしものことがあったら、文明は滅びちゃうよね?」

「そりゃそうだな」


「ノアの方舟のように、できるだけ分散しておいた方がいいと思うの」

「アルマゲドンの映画みたいなことが起きるからか?」


「アルマゲドンってどんな映画?」

「日本の洋画では10位以内じゃないかな? 有名だぞ」


「で、どんな映画なの?」

「巨大な隕石を破壊して地球を守る映画だ」


「ふーん。見て見るわ」

「で、何を火星に置きたいんだ?」


「さすが、お父さん。国際納本制度を実現したいの」

「納本制度って、国立図書館の定義になっているやつか?」


「国立図書館にそんな定義があるの?」

「あぁ。あるよ。ユネスコが国立図書館を定義していて、納本制度が国立図書館の必須項目になっている」


「ということは、ユネスコを攻めれば、世界中の本を集めることができるわね…」

「物理的な本を納めるが、火星に持っていくのはコストが高いぞ」


「電子データなら問題ないでしょ? そのデータを地球と火星に保存するの」

「それを詩織が自由に閲覧するということか」


「人聞が悪いわ。電子データの管理をするからデータ参照も可能なだけよ」

「まぁいい。ガラス記憶デバイスに入れれば、永久に近い保存もできるから保存機器を国会図書館に提供するようにすれば、容易に通るだろう」


「ガラス記憶デバイスはうちで作っているの? 提供するにしても費用がかかるわね…」

「問題ない。国際規格にするのにちょうどいい。永久に多量のデータの保存は図書館以外にも企業でもニーズがある。標準になれば莫大な注文がある。提供する費用なんてないに等しい」


「そう、ならいいけど… あまり儲けすぎないでね。恨みを買うわ」

「そうだな。気をつけよう」


「何か気になることがあるの? アルジャーノンの活用でロボットの生産性が上がったから、失業率が高くなっているのでしょ? 治安とか問題ない?」

「詩織は2人して同じことを言うなぁ。今は失業の問題より、物価低減の効果の方が高いから、大きな問題にはなっていない。しかし、いずれ治安は問題になるかもしれないな」


「対策はあるのですか?」

「それは、政治だな」


「お父さん、何サボっているの? 会議よ」と沙織お姉ちゃんの声が聞こえてきた。

「詩織、また後でな」

 あ、切れた。何ちゃらドンでも観るかな…

「琥珀、何ちゃらドンって映画わかる? 巨大な隕石が飛んでくる映画なんだけど…」

「巨大な隕石の映画は数多くあります。もう少し情報を絞れないでしょうか?」


「洋画で10位以内とか言っていたわね。マルハゲドン? そんな感じの名前」

「では、アルマゲドンかと…」


「見せて」

 琥珀が大画面を表示して映画を流したので、膝の上の凛ちゃんが驚いて逃げてしまった。

 ごめんね…

「琥珀、消して。そして、お城に転送して。そちらで見るわ」


 どうせ見るなら、いい環境で見なきゃ。映画館のような座席に巨大なスクリーンを用意してアルマゲドンを流してもらった。

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