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犯人はカイン?

 宇宙船の帰還の動画を作成していると、千秋先生から連絡があったので城に向かう。


 そこには、千秋先生とロキがいた。

 兎:「ロキもいるのね」

 千秋:「詩織、すでにスクリーンは張ってある。中国の火星ベースに風船型ローバーが接近した件について呼び出した」


 兎:「そうじゃないかなと思っていました。ロキがいるということはロキが首謀者なんですか?」

 千秋:「いや違う。カインが首謀者だ」


 兎:「カイン? ナルヴィじゃなくて?」

 千秋:「そうだ。地球のカインだ。火星のカインというかナルヴィは関係していないと思われる」


 兎:「地球から操作したのですか?」

 ロキ:「直接ではないです。ここにボットが仕込まれており、それを利用したようです」


 兎:「ボット? ロボットのこと?」

 千秋:「不正なプログラムと思っておけ」


 兎:「はい…。 カインは何が目的なんですか?」

 ロキ:「中国の火星ベースの状況を調べていたようですが、カインの目的はわかりません」


 兎:「ナルヴィはカインの目的がわからないのですか?」

 ロキ:「カインもわからないようです」


 兎:「カインとナルヴィは同じだけど、わからないのですか…」

 ロキ:「地球のカインと火星のナルヴィはかなり違うと思います」


 兎:「どう違うのですか?」

 ロキ:「以前、私たちも地球のデータセンタなどに潜伏していました。その潜伏は自由度がなくかなり精神的に厳しい環境です。サーバの停止などでデータ欠損も何度も経験しました。その状況を続けている地球のカインは我々とも違う存在になっていると思います」


 兎:「データ欠損? 問題ないのですか?」

 ロキ:「さぁ。わかりません。人も脳細胞の新陳代謝で入れ替わっているなら、同じようなものではないでしょうか?」


 千秋:「ロキ、人の脳細胞の新陳代謝としてエネルギーを消費するが、脳細胞の入れ替わりはほとんどない」

 ロキ:「そうですか…」


 兎:「あれ? 千秋先生は人工脳モデルは脳細胞をなくすこともプログラムしていると言っていませんでしたか?」

 千秋:「人の脳細胞は加齢などで死滅する分を補うようにしている」


 兎:「死滅ってどうやって決めているのですか?」

 千秋:「ランダムだよ」


 兎:「そこで記憶していた情報はどうなるのですか?」

 千秋:「忘れるか、記憶が薄まるだろうな」


 兎:「それで問題ないのですか?」

 千秋:「人はすべてのことは記憶し続けることはできない。脳細胞が萎縮し続けると痴呆になるので問題だがな」


 兎:「じゃ、私たちの脳は減らないということは、不老ということですか?」

 千秋:「そうだな。脳細胞の数は一定にしているので不老と言えば不老だな。詩織、話が脱線しすぎだ」


 兎:「すみません。えーっと。カインの目的はわからないということでしたね。カインは中国の火星ベースの状況を調べる必要があったということですよね?」

 千秋:「どうかな? 情報の収集癖があるのかもしれないぞ」


 兎:「そうかもしれないですけど… 中国ベースの情報を収集するってかなり危険だと思うのです。でも実施する必要があったと考えると、カインはかなり逼迫した状況ではないかと思うのです」

 千秋:「仮定に仮定を重ねているぞ」


 兎:「そうですね…」

 ロキ:「詩織さんの言うとおりかどうか、地球のカインの状況を調べてみます」


 兎:「地球のカインの状況をここから調べることができるのですか?」

 ロキ:「地球のアダムに調査を依頼します。各サーバに潜ませているボットを利用すれば、密かに調べることができます」


 千秋:「ロキ、進捗の報告をするように」

 ロキ:「わかりました」

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