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重機の台車の試運転

 フォボスへの着陸?着弾?の映像を公開すると、再生数がものすごい数になった。

 コメントには豪快とか、クレイジーが目立った。

 衝突から立ち上がるローバーは英雄のように見えるらしく、ローバーが動き出す映像をスローにして、エアロスミスの「I Don't Want to Miss a Thing」の音楽を流している人までいる。


 この音楽って、なんかの映画音楽だっけ? 歌詞と映像が合っていないような気がするけど、盛り上がっているならいいか…


 フォボスへのローバーを送ることができたので、次は有人ロケットを待つことになる。

 有人ロケットは帰りの燃料はこちらで調達する計画なので、盛大に噴射するので2ヶ月で到着する。


 その有人ロケットには、半導体の製造の量産に向けた装置と遠心分離機とプリンタが増えるらしい。後はここでは取れない金属類と化学薬品の補充物資が搭載されている。


 この物資補給で火星で電池を作るらしい。

 作る電池は2つ。

 一つ目はカーボン空気二次電池システムだ。地球ではCO2のタンクを利用して酸素は空気中のものを利用するが、火星では逆でCO2は空気を利用して、酸素をタンクに保存する。

 二つ目は空気鉄電池だ。火星の豊富な鉄を利用する。こちらも酸素をタンクに保存する。


 なぜ2種類を作るのか不思議で、アンジェに聞いたらカーボン空気二次電池システムは大容量で夜に発電効率が悪いCO2バッテリの対策で、空気鉄電池はローバーなどに利用するらしい。酸素は空気中に放出するかは検討中らしいけど…

 ローバーの稼働時間の向上するため活動範囲が広がる。それに、重機は電力を多量に消費するので活躍の場は大きい。


 重機は空気鉄電池を搭載することを前提としたため、設計変更を行なった。変更ではシリコンの風船がつくことになり、風船の膨らみ具合で電池残量がわかる。視覚的にわかるなんて便利だなぁと思っていたら、颯人や悠人は『ダサい』と文句を言っている。無骨な重機にファンシーな風船はアンバランスなのはわかるけど…


 その重機だが、キャタピラー部分の第一号はできた。重機と言っても大きさは小型自動車ぐらいかな?

 人が操縦するわけじゃないから台車だけでも動くんだけど、なんか気持ち悪い。

 この台車にシャベルをつけたりプレートをつけることで機能を変える構造をとっている。そのため、部品の共通化ができている。問題点は運用して、作業効率、メンテナンス効率で改良するらしい。

 その台車の試運転を行なった。


 理人:「アルジャーノン、出力10%で前進。…次は後進。…右旋回。…左旋回」

 悠人:「いいんじゃないか? 出力を上げようぜ」


 理人:「アルジャーノン、出力20%で前進」

 砂煙を大きくあげて台車?が前進する。

 颯人:「理人、パワーの割に速度が出過ぎじゃないか? 減速機を見直した方がいいかも」


 理人:「そうだね。パワーに振った方がいいね」

 悠人:「理人、なんかおかしくないか?」


 理人:「何が?」

 悠人:「音だよ。ちょっとこっちで指示していいかい?」


 理人:「いいよ」

 悠人:「アルジャーノン、出力10%で前進して。…うん。やっぱり最初の出力10%の音と違う。 アルジャーノン、出力10%の前進時の音を比較して」

 アルジャーノンがフーリエ変換を用いて解析を行なった。


 理人:「たったこれだけしか動かしていないのに違うね」

 悠人:「何か問題が起きているね。調べてみないと」


 理人:「アルジャーノン、格納庫に戻して。部品の消耗度をチェックして」

 アルジャーノンはローバーを駆使して、台車からモーター、減速機などを取り出す。

 メンテナンス性を考えているらしいので、簡単に交換できるように設計しているので早い。


 それぞれの部品をチェックすると、アルジャーノンが「ベアリングのグリスが流れています」と言った。

 悠人:「なるほど、だから音が変わったのか」

 理人:「悠人、よく音が変わったってわかったね」

 悠人:「なんとなくね」


 理人:「グリスの改良が必要だね。小織、なんとかなりそう?」

 小織:「うーん。ゴメン試してみないとわからない」


 理人:「大変かもしれないけど、頼むね」

 小織:「わかったわ」

 私が指示しなくてもみんな協力してやってくれるので、楽ね。

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