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達也さんへの質問

 達也さんに質問できる準備が整ったと連絡があり、千秋部屋に行った。


「おはようございます。千秋先生、河野さん」

「おはようございます」

「おはよう。達也君への質問は別室でSP立ち会いで行う。さっそく移動するぞ」

「わかりました」


 会議室にはいると、達也さんが待っていた。


「おはようございます。達也さん」

「おはようございます」


「今日は、達也さんとお話しがしたくて、この場を用意してもらいました。早速ですが、質問していいですか?」

「はい」

「公人さんが孤児院に入られた時のことをできるだけ詳しく教えていただけないでしょうか?

「はい。公人が孤児院に入ったのは10歳です。孤児院の子供は昔の話をあまりしないので公人も同じだと思っていました。勉強はものすごくできたのですが、普通知っていることを知らなくてびっくりすることがありました」


「例えば、どのようなことでしょう?」

「ころんで、膝を擦りむいたときに痛がっている子が、痛いということがわからないようでした。他には、風邪をひいて熱をだして咳をしている子を見て、はじめて熱と咳がわかったようでした。あとで、記憶喪失で以前の記憶がまったくないということで驚きました」


「公人さんはどんな性格の子供でしたか?」

「最初は無感動で暗い感じでしたが、明るく面倒見のいい奴でしたよ」


「最初は無感動で暗い?」

「孤児院に入った子は多いですよ」


「少し変な質問ですが、公人さんが手をつないだりしたときに病気の症状がかるくなったり、変わったことがおこったことはありますか?」

「風邪をひいた子が公人を呼ぶことがあって、よく看病をしていました。それは、風邪でさびしいからで、症状が軽くなるなんてことはなかったと思います。たぶん… 私は風邪をひかない子だったので、公人に看病されたことがないのでわかりません」


「達也さんは看病しなかったのですが、したことはありますよ。なぜか公人を呼ぶ子が多かっただけです」


「では、達也さんが手をつないだときに変わったことがおこったことはありますか?」

「…ないです」


「少し間がありましたが…」

「詩織さんは女性だからわからないかもしれませんが、10歳ぐらいの男の子は小さい子がはぐれないように手を繋ぎますが、それ以外で手を繋ぐことはほぼないからです」


「そういうことですか… では、最後の質問です。 達也さんがSPと揉めていた時に、達也さんが私の手を握りましたよね? その時、何か違和感を感じましたか?」


「いえ、全く。 …そういう質問をするということは、詩織さんは何か違和感を感じたのですか?」

「…目の前が真っ白になりました」

「急に手を掴まれたからびっくりしたからではないですか?」

「…そうかもしれません」


 考えていた質問はこれだけかな…


「私からの質問は以上です。達也さんは何か聞きたいことがありますか?」

「では、山里亮二という名前は誰から教えられたのでしょうか?」


「本当に不思議なんですが、聞いた記憶がないのです。突然、そう思ったのです」

「そうですか… 質問ではないですが、私が詩織さんを大学で調べている時に、大学生とは思えない人が何人もいました」「大学の先生や私の護衛ではないですか?」

「雰囲気が大学の先生ではないです。詩織さんの護衛もふくまれているかもしれませんが、詩織さんの護衛とも違う雰囲気の人がいたと思います。気をつけた方がいいです」


「わかりました。ありがとうございます」


「達也君、詩織や公人君について、今後調べないように。また、ここでの内容は口外しないように。 あとはSPにまかせる。詩織、戻るぞ」だまって、成り行きを見ていた千秋先生が終わりをつげた。


「わかりました。 達也さん、本日ありがとうございました」

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