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水素探索

 砂嵐が過ぎ去り、1日がかりで太陽光発電パネルの砂を払ったが損傷はなく、発電量も想定通りになった。

 これで日常に戻れるということで、水素の探索だ!


 もちろんこれもYou◯ubeで公開する。大気の水素濃度を計測できる機器と風向きを調べる風車?を積んだ2台と太陽光パネルなどの電力を確保のための機器を積んだ2台の4台のローバーで出発する。

 ローバーは少し離れた場所で同じ計測を行い、その水素濃度と風向きから水素が溜まっている場所を特定する。


 3時間ほどでローバーはちょっとした崖のような場所に到着した。この崖?渓谷?に水素があるようだ。意外と近い。

 ドローンを用意して、渓谷に入れた。渓谷の入り口は狭かったが、奥は広い。そのため、光があまり届いていないので暗い。

 ライトを付け、降下させるとキラキラと光が反射する。

 宝石?


「千秋先生、この光っているものって宝石ですか?」

「おそらく氷だろう」


「氷ですか? 水が見つかるなんてラッキーですね」

「何を言っている? 氷が見つかる可能性は高かったから当たり前だ」


「どうしてですか?」

「火星には水がかなり存在していたと言われている。その水は氷やOH基を含む岩石で残っている」


「水もOH基も水素ですね」

「そうだ。幸運なことに我々はローバーで作業ができるから安全だ」


「そうですね。こんな地下は人が作業すると危険ですもの」

「そうじゃない。塩化水素の濃度も高いから危険だ」


「塩化水素って危険なんですか?」

「は? 化学で何を習った?」


「塩化水素でしょ? 塩素はCLで水素はHだから、CLH? 逆ですね 。HCLですねって塩酸じゃないですか! 塩酸と言ってくださいよ」

「塩酸は塩化水素の水溶液だ。人が作業するにしても宇宙服を着ているので問題はないかもしれないが、危険は避けた方がいいからローバーがあってよかった」


「ローバーは問題ないのですか?」

「腐食は若干するかもしれないが、問題ない」


「千秋先生、どうやって水素を集めるのですか?」

「そうだなぁ。シリコンゴムを渓谷の中で膨らませるのが一番だが、難しいな。膨らんだシリコンゴムを下ろして、その中に渓谷内の空気を送り込んで置換させる。すなわち上方置換だな。上方置換はわかるな?」


「上方置換ですよね? 小学校で習ったので知っていますよ」

「ならいい」


「上方置換で水素以外に塩化水素も含まれてませんか?」

「少しは入るだろうな。だが、塩化水素は36.5g/molだからほぼ入らない」


「また、モルですか…」

「膨らませてたシリコンゴムをローバーで運んで水素を詰めるぞ」


「はい」

 私達は準備していたシリコンゴムを膨らませてローバーに積んで渓谷に送り出した。

 前回は計測しながらだったので時間がかかったが、直線だと1時間程度だ。


 膨らんだシリコンゴムと送風機?を渓谷内入れて、シリコンゴムに空気を入れてしばらく放置。

「もういいだろう。シリコンゴムの口を閉じるぞ」


 接着剤でゴム風船の口を閉じる。これを三回繰り返し、3つのシリコンゴム風船が出来上がった。

「隕石落下の実験が一番最初できるかと思ったのですけど、飛行船が一番でしたね」

「順番なんてどうでもいい。私は半導体の作業に戻る」


「わかりました」

 千秋先生が立ち上がると、消えた。

 私はドローン作成を悠人にお願いした。もちろん映像は撮っておいてもらう。

 後で編集する時に音楽も入れなきゃ。

明日の更新は無しになるかと思います。更新できたとしても夕方です。

読んだ感想などをいただければ、幸いです。よろしくお願いします

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