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You◯ubeデビュー

 月日は経過し、火星到着して5年が経過した。

 地球の私は結婚をしたらしい。

 相手は知らない… なんか取り残された気がする。


 火星の農耕はジャガイモ、トマトだけ。ジャガイモは片栗粉、トマトはドライフルーツにして保存。あとは水耕栽培で葉物野菜が作れるが保存ができないので常時は作っていない。しかし、火星初のに民間人が来るということで栽培を再開。


 今後は1年に1度のペースで定期便をできるらしい。移動期間、人は冬眠状態で来る。そのため、居住スペースも小さくでき、食糧も節約できる。すなわち、運ぶ物資も多くできる! これ大事。ほんとに大事。


 火星の開発に必要な半導体部品を運んでくれるので、その対価して火星産の食糧でもてなすことになる。ジャガイモとトマトと葉っぱの野菜ではたいしたものは作れない。だから、サラダとにんじんと玉ねぎ抜きのミネストローネは作れる。ブイヨンなんて作れないので顆粒を代用。険しい山にある山小屋で食べる食事と考えれば相当豪華だと思うけど、火星に来る民間人はわかるかなぁ。


「ビアンカも千秋先生もアンジェも大事なお客様なんですから準備を手伝ってくださいよ。火星に来てよかったと他のお金持ちに宣伝してもらわないといけないのですから」

「欠陥のない最高レベルのシリコンウエハができている。ガリウムウエハもサンプル品ができている。これを売ればいいだろ?」と千秋先生が言った。


「宇宙空間でシリコンウエハを作れば最高レベルのシリコンウエハが作れるのでしょ? だったら同じ方法を地球周辺の宇宙空間でも作れますよね? そうしたら、火星まで取りにいく必要がないので商品価値がないですよね」

「作ることができればな。もし、作ることができても、こちらがさらに大口径のウエハを作ればいい。結晶化のノウハウが溜まってきているのでガリウムウエハも大口径が作れると思うぞ」


「どうしてそんなに楽観的なんですか?」

「地球の兎はかなり儲けているのだろ? 資産はいくらだ?」


「かなり持っているようですけど、株や不動産に分散投資しているのでわからないです。お金を持っているのは地球の兎なんですから、私たちは利用できないです。それに、その金額で火星に荷物を送ったら、一回分で溶けてしまします。だから、自分の費用で来てくれるお金持ちは重要なのです!」

「兎の金融リテラシーは高いな。千秋が教えたのか?」とアンジェが聞いた。


「いや、私は兎の家庭教師はしていない」

「そうか… 兎が言うように複数の商品は用意すべきだな。もしウエハが販売不審になれば事業が成り立たなくなる」


「アンジェがビジネスを考えるなんて!」

「そうか? 株式投資をする際の企業分析で主力商品の市場での立ち位置を調べたりするだろ? 私達が1つの企業と考えれば当然の分析だな」


「ほう。アンジェが株式について言うなんて意外だな。で、アンジェがこの火星をどう判断する?」

「そうだなぁ。今はベンチャー企業だ。そもそも金銭を利用していないのでバランスシートなんて意味がない。商品はメタン、水、シリコンウエハだな。ガリウムウエハは次期商品候補だな。ウエハは商品価値が高いが、メタン、水は商品価値が高くない。何か必要だ。これでは将来性がない」


「兎がお金持ちをもてなすのは事業だろ?」

「そうだな。観光ビジネスと言える。資源を運んでもらえるので現時点では最も有望だな」


「じゃ、火星のスポットを観光地にすれば?」と河野さんが言った。

「明人、例えばどこだ?」


「オリンポス火山はどうです? 標高2万メートルですよ。他にもカールセーガンとかトーマス・マッチとか火星に来た探査機をめぐるとかどうですか?」

「何が楽しいんだ?」


「観光地ってそんなものですよ」

 観光地かぁ。誰も見ていないなら見たい人がいるかも…


「どうした兎、何か思いついたのか?」と千秋先生が私を覗き込んだ。

「資源探索のついでに河野さんのいう観光地?を巡った映像をYou◯ubeなんかに流せば再生数が伸びるかなぁなんて思っただけです」


「費用なんてかからないんだから、やってみろ。当たれば儲け物だろ?」

「そうですね。やってみます」

 私は今までのスピンローンチの失敗とか、ローバーの故障などの映像には音がないので、効果音を入れたがパッとしないので、爆発なんかは漫画の効果線?を入れた。

 まだ地味っぽいので、ロボットぽいキャラクタがなんでこうなった? どうするんだ?なんて言う掛け合いを入れた。まあまあ見れるようになったので、各国語バージョンで投稿した。

 すると、みるみる再生数が伸び、有名チャンネルになってしまった…

 はぁ。気軽に始めただけなのに… 忙しい。世の中わからん。

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