調査依頼
家に帰り、お風呂につかりながら今日のことを思い返した。達也さんに手を掴まれた時に、目の前が真っ白になったのはなんだったの? 急に手を掴まれたから?
神木さんは心臓マッサージとか、手を握るとかの接触で、現象が発生したとするなら、亮二さん? 達也さん?に私がの手を掴まれたことで何かが発生した?
あの人は山里亮二って疑いもなく思ったのは、どうしてなんだろう?
私が以前に聞いていたから? 神木さんを調べている人としか聞いていなかったはずだけど、どこかで聞こえていた?
私が意識不明から回復する際に、流れ込んだ神木さんの記録? でもこれは… ちょっと信じたくないなぁ。
亮二さん? 達也さん? が私の腕を掴んだ時に、亮二さん? 達也さん? の記憶が私に流れ込んだことで知った? 神木さんの記憶と同じぐらい信じたくないなぁ。
確かめられるとすると、達也さんの能力についてだけかな? 達也さんに神木さんと同じ実験の検証をしてもらう必要があるよね? それって誰に交渉すればいいの? 香織お姉ちゃん? それとも千秋先生?
香織お姉ちゃんに交渉すると私が危険とか言われそう… そうすると千秋先生になるか…
うーん。のぼせてきた。出るか。
カンナさんにお父さんが炭酸割りのために用意している無糖の炭酸をお願いすると、「最近、炭酸をご要望されることが多いですね。炭酸は苦手だったのでは?」と言われ、そういえばそうだったかも…
あ、千秋先生に相談しなきゃと思い、電話した。
「こんばんは、千秋先生、詩織です」
「詩織か、何か用か?」
「前に神木公人さんに実施した実験と同じ実験を神木達也さんで行いたいのですが、可能ですか?」
「神木達也って、今日、詩織の大学で捕まった奴だな。なぜ必要と思ったんだ?」
「捕まったって… 今日、神木達也さんに腕を掴まれたんです。その人の名前を知らないはずなのに山里亮二と思ったんです。後で分かったのですが、神木達也さんの旧名が山里亮二だったんです。これは神木達也さんの記憶が私に流れ込んできたなら、私が意識不明から回復した時の神木公人さんの記憶が私に流れ込んできたことと現象が似ていると思いませんか? なので、神木公人さんが行った実験を神木達也さんで確かめる必要があると思うんです」
「 …神木公人君の記憶が詩織に流れ込んできたということは認めるのか?」
「あ、そういう仮定で、神木さんの記憶が私の中にあると認めていめせんから!」
「ふーん。そうか。 今、神木達也君は監禁して調査しているから、調査に神木君の試験を追加しよう。 …両方、神木でややこしいな。下の名前で呼ぶか…」
「じゃ、わたしも。下の名前で呼ぼうかな… 千秋先生、達也さんの試験に立ち会いです」
「ダメだ。録画を見せてやるからそれで我慢しろ」
「私、達也さんに聞きたいことがるんだけど…」
「何を聞きたいんだ?」
「公人さんのこと。公人さんと達也さんは同じ孤児院で育ったのなら手を繋いだことあるだろうし、他の子供とも手を繋いだこともあると思うんだ。手を繋いだ時に特別なことが起こったことがあるか?とか聞いてみたい。他にも公人さんが孤児院に入った時の状況とかも聞きたいです。他には…」
「わかった。達也君に質問する場所を用意しよう。達也君に質問できるようになったら、連絡する」
「ありがとう。千秋先生!」
「用事は以上か?」
「えーと、公人さんが公園で見つかった時の病院の関係者に質問できないですか?」
「面倒だが、担当者の記録はあるので、できる」
「質問したいので、お願いします」
「わかった。こちらも質問できるようになったら、連絡する。 で、以上か?」
「はい。連絡をお待ちしています。では、失礼します」
「ああ」
電話を切った。
改めて考えると、公人さんって裸で公園で保護されて記憶喪失って稀有な人生だよね…




