アンジェの新型高性能MRI その3
「琥珀、すぐに凛ちゃんの場所に転送して」
空中から「わかりました」という声が聞こえてきたと思ったら森に転送された。
琥珀も急いでいるのがわかったのか、出現の処理を飛ばしたようだ… 琥珀は空気が読めるねぇ。
アンジェがキョロキョロして、凛ちゃんを探しているが、凛ちゃんが隠れている場所が私から見えてる…
はぁ。凛ちゃんはアンジェを警戒しているなぁ。あれじゃ、触るのは難しいだろうなぁ。
「猫さん、今度の用件はアンジェ?」
「そう、アンジェ」
「アンジェの動きって、変わってない?」
「新型MRIで接続しているからよ」
「そっか、前は動きが鈍いし表情がわかりにくいから変だったけど… これが、本来のアンジェなのね」
「そうだけど、いつもと違うわよ。凛ちゃんを探しているアンジェはこんな感じなのね。これは、怖いわ。私が凛ちゃんだったら逃げるわね」
アンジェはまだ凛ちゃんを探している…
「アンジェ、凛ちゃんが怖がっているわ。落ち着いて」
「そっか…」
「アンジェ、まずウサギ達と仲良くしていれば凛ちゃんも安心して寄ってくると思いますよ」
「そうだな!」
アンジェはウサギを撫でたり、膝に乗っけたりしている。
「うーん。ウサギもなかなかだねぇ。手触りも本当にすごいな。本当に触っているとしか思えない…」
「そうですね。ふっかふかですよね」
「ん? この森もすごいな。森の香りもするし、この地面も… 風もあるのか?」
「そうですよ。本物と区別がつかないですよね?」
「いや、本物とは違うな」
「え? そうなんですか? 私は手抜きせずに完璧に作ったつもりですよ」と兎さんが言った
「湿気が違うな。地面の近くの方が湿度が高いし、香りも地面の近くは違う」
「そうなんですね… 私じゃわからないから変更できないな。アンジェ変更に手を貸して!」
「あぁ。いい…ぞ… 凛ちゃんが近づいてきた…」だんだん、こえをひそめて、凛ちゃんを直視しないように言った。
凛ちゃんはウサギ達が逃げないので、安全と思ったのか私の足元に来て、見上げている。
私は、凛ちゃんを抱き上げてアンジェの隣に座る。
「Excellent、詩織! nice assist」と小声で言った。
凛ちゃんもアンジェに警戒を解いたようなので、アンジェも凛ちゃんを撫でることができた。
凛ちゃんって普通の猫より警戒が少ないような気がする。
「兎さん、凛ちゃんって人懐っこいよね?」
「そうね。他に猫がいないからかな?」
「そういえば、チーはどこにいるの?」
「チーは城にいるわ」
「凛ちゃんはチーと遊ばないのね」
「最初は遊んでいたわ。でも、なぜかウサギ達と一緒にいることが多いわ」
「そうなんだ。どうしてだろうね…」
アンジェの様子が変?
「どうしたの? アンジェ、大丈夫?」
「頭痛がする。前頭部中央に刺すような痛みがする」
「抜けよう、アンジェ。できる?」
「あぁ。ログアウト」
「アンジェが気になるから、抜けるね」
「わかったわ。じゃね」
「うん、じゃね。ログアウト」
千秋先生がアンジェのヘルメット?を外している。
「千秋先生、アンジェが頭痛がするって言っていたわ。大丈夫?」
「あぁ。アイスクリーム頭痛だ。しばらくしたら治る」
「はい? アイスクリーム?」
「早くアイスクリームを食べると頭痛がすることがあるだろ? あれだ」
「アンジェはアイスクリームなんて食べていないですよ」
「寒冷でもアイスクリーム頭痛は発生するんだよ」
「あ、アンジェの新型MRIは液体窒素を使っているから、寒冷にいる状態だったのですね」
「そうだ。体温などを確認していたが、問題なさそうだったんだがな… 耐性は人によって違うからなぁ」
アンジェが毛布にくるまって座っている。
「アンジェ大丈夫?」
「あたま いたい…」アンジェは外人なんだけど、外人みたいな発音に聞こえる…
「アンジェ、もうちょっと断熱材を入れたら? そうしないと長時間は入れないよ」
「うーん。あの感覚が鈍るのは許せないなぁ… 断熱材を厚くできないし… 真空層だと問題ないかなぁ」
「千秋先生、アンジェは改造するつもりね」
「はぁ…」千秋先生は、アンジェに付き合わされるのだろうなぁ。




