分析室2
今日は橋田さんとに相談するため、分析室に直行した。
「こんにちは、橋田さん」
「詩織さん、こんにちは」
「今日は質問に来ました」
「千秋さんから聞いているよ。でも僕に答えれるかなぁ。答えられない時は調べることにするよ」
「ありがとうございます」
「ネットで量子について調べたのですが、良くわからないので」
「ま、そうだね。難しいね。僕もわかってないから…」
「早速ですが、河野さんが用意した磁気を計測する機器で量子を測ることはできますか?」
「河野さんが用意した、神木さんの実験のための計測機器ね。河野さんが用意した磁気計測機器で手の部分で量子もつれを計測できるかってこと? だとするとできない」
「そうですよね」
「えーっと、変な質問ですけど、記憶は脳で保存されていますよね?」
「そうだと思うよ」
「たとえば、私が橋田さんに質問した記憶って脳のどの細胞か保持しているかを調べることできますか?」
「できるかもしれないね。MRIを接続すればわかるよ」
「では、記憶の移植はできませんよね?」
「うーん。できるんじゃないかなぁ。移植元の脳の神経接続をすべて再現できれば記憶の移植できるような気がする」
「できるのかぁ」
「ちょっと待って、今すぐできるのか?って意味だとできないよ」
「そうなんですか?」
「ここのMRIじゃ、脳の状態を取得するには精度が低い」
「ところでMRIってどういう原理で動いているのですか?」
「MRIって電磁波を使うから、金属は身につけて計測はできないことは知っているよね?」
「はい。ここの身体検査でも外しました」
「MRIは電磁波を当ててバラバラの向きの水を整列させて、共鳴して出る電波で映像化している。でも、強力な電磁波でも水は3万分の1しか揃わないから精度が低い」
「じゃ、ここのじゃない精度の高いMRIはどうしているのですか?」
「レーザー光を使ったりしている。これも量子が関係するんだけどね」
「え、これも量子ですか?」
「さっき水の向きを揃えると言ったけど、これは核スピンの方向を揃えるってことなんだ」
「核スピン… 昨日調べていた情報にもありました…」
こんなにも量子って身近だったんだと考えていると橋田さんから質問された。
「詩織さん、神木君って何者だい? 城東消防署、神木孤児院を調べている人が増えている。同時期からここのサーバにちょっかいを出してくることも増えている。なりふり構わず調べているって感じがする」
「私は神木さんと会ったことないですし、知らないです。私が意識不明の時はあったうちに入らないですから…」
「そうですか、千秋さんか、香織さんから話があると思いますが、注意してください」
「はい。ありがとうございます」
もう終われ!という雰囲気なので、挨拶をすることにした。
「今日はありがとうございました。また、質問していいですか?」
「どういたしまして。いつでも質問しにきてください」




