ニャン吉製作委員会 その3
絵梨香さんがログアウトしたけど、私たちは続ける。
猫:「兎さんが作った猫アルジャーノンを見たことがないんだけど、出せる?」
兎:「琥珀、出して」
琥珀:「わかりました」
机の上にショートヘアの黒猫が現れた。
猫:「サバトラの子猫で可愛いわね。名前は何?」
兎:「チーだよ」
猫:「サバトラの子猫でチーって、あの漫画をイメージしたの?」
兎:「さすがね…」
伊織と小織が、『何の話?』という顔をしている。
猫:「フォルムは完璧ね。可愛いわ」
兎:「うん。可愛いけど、動きは少し変なところもあし、動きが単調なんだよねぇ。それに、喋るとねぇ。チー、挨拶して」
チー:「はい、詩織さん。私はチーです」
猫:「ぎゃー! ダメよ! ダメ」
伊織と小織が驚いて私を見た。
兎:「ね。可愛さ90%ダウンでしょ?」
猫:「これは、ダメ!」
伊織と小織は興味津々でチーを見ている。あれ? あまりダメっぽくないなぁ。
猫:「伊織、小織は変に思わないの?」
伊織:「だって、かわいいじゃないですか?」
小織:「うん。喋る方が便利だし」
猫:「動きはかなりいい線だと思うから、喋らせなければよかったんじゃない?」
兎:「あ! そうね。チーを作った時は、神木さんのアルジャーノンが羨ましかったから喋らせたのよねぇ。喋らせる必要はなかったね」
猫:「チー、おいでぇ」
チー:「はい」
猫:「ちがーう! チー、違うわ」
兎:「そう、違うでしょ… でも、ニャーと言われてもなんか違うし…」
猫:「猫を作るのはかなり難しいかも」
兎:「そうなのよ… だから、諦めちゃったの」
伊織と小織は『何が?』という顔をしている。
小織:「チーって可愛いですよ。これで問題ないと思いますけど…」
猫:「教育不足ね」
兎:「そうね。これでは、先が思いやられるわ。女子高校生として自覚が足りないわ」
伊織:「女子高校生? 私たち高校生じゃないですよ」
兎:「だって、16歳の女の子の格好なんだから、女子高校生の自覚がなきゃ」
伊織:「はい。頑張ります!」
小織:「どう頑張るの?」
伊織:「そう言われればそうね。どうすればいいのかなぁ」
兎:「ここは、全校生徒五人の田舎の学校みたいなものだから、難しいね」
猫:「ギャルになるよりましよ。 続けましょ」
兎:「そうね。でも次は何をすればいいのかしら…」
猫:「琥珀、猫の目、耳、鼻の構造と人の違いを調べてモデルを作って欲しいけどできる?」
琥珀:「調べて作成します」
猫:「琥珀、脳幹も小脳も必要よ。大脳はニャン吉の初期状態のものがどこかにあると思うの。あ、触覚も大切よ!」
兎:「肉球でしょ?」
猫:「そうよ。肉球の再現が一番よねぇ。外せないわ。チーの肉球はどうなの?」
兎:「かなりいい線よ」
猫:「チー、肉球を触らせて」
チー:「はい」
猫:「ちがーう! そう頼んだんだけど… いつでも肉球が触れるのは嬉しいけど… 違う!」
兎:「どう? 肉球は?」
猫:「いい感じね。で、新しい子はベンガルにするの? チーもよくない?」
兎:「そうね。いいかも」
大体、決まったわねと思っていると小織が話かけてきた。
小織:「あのう。どうして、アルジャーノンはしゃべっても問題ないのに、チーは喋ると違うのですか?」
猫:「そう言えば、そうね… なんか神木さんが言っていたような気がするけど…」
兎:「アルジャーノンは2足歩行で、普通じゃないから気にならないとか言っていたような気がする」
猫:「なるほどね。そうえいば、セバスチャンはどうしたの? 見ないわね」
兎:「かなりよかったんだけど、やっぱり人と違うのよね。町のNPCも遠くから見る分にはいいんだけど、ずっと近くにいるとねぇ」
小織:「じゃ、2足歩行の猫にすればよかったんじゃないですか?」
兎:「ド◯えもん…」
猫:「うーん」




