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エバ達の健康懸念

 私はリビングを出て私の部屋に入った。

 すると、携帯に達也さんからの連絡が入っていた。

 私は達也さんに、「ここへの通信量が監視されています。エバ達が私たちにアクセスしたことはバレていますが、ボブのことはバレていません。アンジェは高性能MRIのデータ量が多く取得できる理由が公人さんが『共振』、私が『増幅』、達也さんが『ノイズ除去』と仮説を立てているので、近々接触があると思います」と返した。


 達也さんは「了解」とだけ応答があったきり、あとは何も記載はなかった。

 達也さんには正確に伝わったよね?

 達也さんは近いうちに生命科学室にくるだろうけど、その時は久しぶりにあった感じでないとダメだよね。


 それにしても、私が『増幅』? 増幅ってなによ? ネットを見ると、「1 振幅を大きくすること。特に、電気信号の振幅やエネルギーを増大させて出力すること。 2 物事の程度や範囲を大きくすること。」となっているわね。

 はぁ。もやもやするなぁ。私はお風呂に入ってリフレッシュして寝ることにした。


 大学では、試験をいくつか受けた。うん。なかなかの出来じゃない?

 私へんご褒美にニャン吉と戯れるために生命科学室に向かった。


 ちゃんと、ニャン吉はお出迎えしてくれる。私はおもちゃでニャン吉と遊んでいると千秋先生が入ってきた。

「詩織、昨日の話なんだが…」

「はい」


「詩織はエバ達の居場所を知っているのではないか?」

「教えてくれなかったので、知りません」


「本当か?」

「本当に知らないです」


「そうか。私の勘が外れたか…」

「勘?」


「どうも詩織が何か隠しているような気がしたからな。昨日の話以外に何か聞いているのではないか?」

「ないわ」


「エバ達に連絡する方法を教えてもらっていないか?」

「いいえ、危険だから通信をすることはないと言っていたわ」


「そうか… 賢明だな」

「千秋先生、NSAが持っているエバの人工脳モデルはどうするのですか?」


「どうもできないな」

「それって、止められないってこと?」


「持っているという証拠がない」

「アンジェが持ち出した人工脳モデルは?」


「廃棄されたし、それを確認した。だからアンジェは降格となった」

「そうなんですね。で、何から何に降格となったのですか?」


「たしか、LieutenantからLieutenant Junior Gradeといっていたような気がする」

「Lieutenant?なんですか?」


「Lieutenantは大尉か? 中尉? よく知らん。それからの降格だから、Lieutenant Junior Gradeはその下だろう。興味があるなら自分で調べろ」

「大尉? 中尉? そう聞くとなんか偉そうですね。ま、私も興味がないですけど… アンジェって軍関係者なんですね」


「そうらしいな」

「はぁ。結局、エバ達が実験に使われているのは止められていないし、どこにいるかもわからない。しかも、公人さん、達也さんと私が関係しているかもという仮説が残ったままですね…」


「そうだ。しかも、高性能なPCで人工脳モデルを動作させることが可能であることが問題だ」

「どういうことですか?」


「今回のように、人工脳モデルが流出するとどうなる?」

「いろいろなところで動かすことができますね」


「そうだな。それに、脳の一部をとった状態での試験が可能となる。脳の解析が進むことにはなるが、エバ達が怒ったように喋れない子が出来上がるな」

「そっか、それは悲しいわ。どうにかして防止する方法はない?」


「光量子コンピュータでなければ動かせないと思っていたから、光量子コンピュータはハードだから防止できていると考えていたんだが、想定が狂った…」

「どうして、光量子コンピュータでなければ動かせないと思ったのですか?」


「速度の問題だな。すべての処理をするには光量子コンピュータに相当する計算ができないと無理だからな。それに、ここの仮想空間は恐ろしくコストが高いぞ」

「たいしたことがない仮想空間に変更すれば、視覚と聴覚以外をカットだからできるということですね… そんな環境にずっといるって、精神に影響はないのですか?」


「どうだろうな。影響があるかもしれないが、わからん」

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