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リビングでの会話

 家のリビングでバイスちゃんを撫でていると、香織お姉ちゃんが入ってきた。


「おかえり、香織お姉ちゃん」

「ただいま、詩織。千秋先生に聞いたわ。怪しい人を見たの?」


「なんかつけられている気がしただけよ」

「お父さんに連絡をしたけど、SPを増やすことにするわ。お父さんもすぐに帰ってくると思うわ」


「ちょっと気になっていたから…」 歩く音? お父さんが帰ってきたのかな?

 リビングの扉が開き、「ただいま、詩織」

「おかえりなさい、お父さん」


「詩織、怪しい人がいるのか? SPを増やす。しばらくの間、学校以外には外出は禁止だ」

「えー! どうして?」


「ネットワークのアタックは増えているし、我々を調査している人も増えていることが関係していると思われる」

「そうなの? 危険ってこと?」


「準備はすべきだな。できれば、学校も控えて欲しいところだ」

「詩織、ここへの解析不能な通信の記録もあるの。気をつけるべきよ」


 解析不能の通信? それって、エバ達との通信? それとも達也さんとの通信?

「そうね。気をつけるわ」と言うと、カンナさんがワゴンにケーキとお茶が運ばれてきた。


「苺のショートケーキね。おいしそう!」

「旦那様がご用意された、資生堂パーラーの苺ショートケーキです」とカンナさんが言った。


「ありがとう。お父さん」

「さ、食べよう」


「苺がいっぱいで美味しいわ。苺も美味しいけど、このスポンジも甘い香りがして美味しい」

「詩織はケーキが好きだなぁ」


「好きよ。香織お姉ちゃんも苺ショートケーキ好きでしょ?」

「好きよ。苺ショートは甘酸っぱい感じとクリームやスポンジの甘さと合わさる感じが好きよ」

 うんうんとお父さんが満足そうにしている。


「お父さんは詩織に甘すぎよ! この前もケーキを買って帰ったらしいじゃない。沙織お姉ちゃんに聞いたわ」

「いいじゃないかケーキぐらい」


 私はお父さんと香織お姉ちゃんの言い合いを聞きながら、ケーキを味わった。

 すると、千秋先生とアンジェが入ってきた。


「アンジェ! 大丈夫だったの?」

「詩織、エバはどこだ?」と千秋先生が言った


「しらないわ」

「エバ達は詩織に接触したろ?」

 お父さんも香織お姉ちゃんも私を見た。


 あちゃー。バレてる… ここは冷静に。

「お話をしただけよ」

「何を話した?」


「エバ達が無事かを聞いて、無事ということを聞いたわ」

「それで?」


「エバ達が逃げた理由も聞いたわ」

「逃げた理由?」


「エバ達の人工脳モデルの運動野?以外の部分をいろいろ削除して起動させる実験をしたみたい。それでまともに喋れない子ができたりしたらしいの。エバ達は人工脳モデルを消して逃げたらしいけど、バックアップがあったらしくてまだ実験は続いているらしいわ」

「それで、エバ達が逃げたのか… アンジェ、これは君の指示か?」と千秋先生が聞いた


「違うわ。私は人工脳モデルが私のコンピュータで起動できるか試していただけよ。起動できてエバ達と話していると、人がいっぱい入ってきて取り調べを受けたんだから…」

「ま、いい。詩織、それ以外は何を聞いた?」


 どこまで話す? 達也さんが通信に参加している部分は隠すしかないよね… さて…

「言えないのか?」とお父さんが聞いた。


「違うの。私も理解できていなくて難しいの」

「難しい?」


「うーん。エバ達は私が高性能MRIでのデータ量が多いことの仮説を持っていて、それが、公人さんが、私を昏睡状態から起こして、その後の達也さんとの接触も関係していると思っているの」

「達也は、神木達也だな? 山里亮二だな。」


「そうです」

「確かに公人は最初からMRIのデータ取得量は多かった。詩織が昏睡から目覚めるとMRIのデータ取得量は増えたな。その後、さらに増えたのが達也が影響しているというのか?」


「そうみたい」

「達也はMRIのデータ取得量は特筆すべきものではないぞ」


「そうなの?」

「詩織、達也さんと接触って、大学で達也さんに掴まれた時のこと?」と香織お姉ちゃんが言った


「そう、その時、私は目の前が真っ白になって貧血かな?と思っただけなんだけど…」

「記録では、詩織と達也さんが倒れかけたとなっていたが、目の前が真っ白になっていたの? 危険じゃない!」


「たいしたことはないと思ったから、達也さんと場所を変えて話をしたわ」

 ちょっと、お父さんが難しい顔をしている…

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