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達也さんとの再会

「じゃ、授業が終わったら、ピエール・エルメ・パリに行こうか?」

「今日?」


 優佳が私の耳元で「そう。だって、達也さんから預かっているものあるもの」と囁いた。

「わかったわ。ピエール・エルメ・パリだから、青山ね」


 私達は授業が終わったので青山に向かい、ピエール・エルメ・パリに入店した。

 今日は予約をしていなかったが、すんなり通された。


「詩織、今日は予約していないわよね?」

「していないわ。たまたまよ」


 私達はサンサシオン クロエを注文した。テーブルには、お皿に黒い球体があり、その球体に熱々のチョコレートをかけてくれた。

「うーん。チョコレートの香りがいいわねぇ」

「そうね。ビターなチョコだけど、中のアイスやラズベリーと合わせると甘いわ」


 二人で幸せな気分に浸り、お茶を飲んでいると、優佳がメモを出して私に渡した。

「この方法だと、安全にチャットできるそうよ。中身も自動で消えるらしいわ」

「ありがとう。優佳。達也さんを頼って正解かも」


「達也さんってすごいのよ。詩織が直接来れない理由を聞いたらすぐにこのメモを書いたんだもの。詳しくは詩織に聞くと言っていたよ」

「わかったわ。また、優佳に頼るかもしれないけど…」


「任せて! その時は、何がいいかなぁ? 考えておくわ」

「スイーツならいいわよ。辛いのはNGだから!」


 私たちはピエール・エルメ・パリを後にした。優佳は電車に乗るということなので、私は迎えの車に乗り帰宅した。

 私は部屋で優佳にもらったメモの通り、アプリを入れ、待合場所の番号を入力して通信できるようにした。


 それほど、難しくないのね… しばらくすると、ビープ音がしたのでアプリを操作すると、達也さんからのメッセージと思われるものが入っていた。


『君の名を名乗れ』

 私はメモを見て、『アリス』と入力した。

『通話ボタンを押せ』

 私は指示通り通話ボタンを押した


「アリス! まずは聞いてください」

 達也さんは私が言葉を発せないように即座に話し出した。


「具体的な名称や名前は通話では言わないように!」

「わかりました」


「現在の場所は安全ですか?」


「はい。私の部屋なので大丈夫です」

「盗聴は?」


「盗聴なんてないですよ!」

「わかりました。念の為、私のことは、ボブと呼んでください。あなたのことはアリスと呼びます」


「くだらないことなんですが、どうしてアリスとボブなんですか?」

「暗号プロコトルではアリスとボブをよく使うだけですよ。声の感じでアリスさん本人であることを確認しました。続きはチャットで話をしましょう」


「わかりました」


 私は通話を切り、チャットを続けた。

「ここでは、名前を書いても問題ないですか?」

「はい。問題ないです。1分で消えますから。詩織さんですね。そちらから連絡されるとは思いませんでした。私から詩織さんに接触しないことという誓約書を書かされましたから」


「え! そうなのですか? これは、大丈夫なのですか?」

「詩織さんからの連絡ですから、誓約書の違反にはなりません」


「違反にならなくてよかったです。相談できる人が達也さんしかいなかったのです」

「そうですか… 何があったのでしょうか?」


「ある人物と連絡を取りたいのですが、取る方法を相談したかったのです」

「難題ですね。ある人物とはエバです」


「偽名ですか?」

「そうじゃないです。たぶんEva Ryan Brownです」


「外国の方ですか? さらに難度があがりましたね…」

「日本人のアメリカ人のハーフかな?」


「かな?」

「詳しくは言えないのですが、日本語は問題なく通じます」


「それ以外の情報はないのですか? 容姿を含む様々な情報をください」

「容姿は変更しているだろうし、名前も変えているかもしれません。あ、頭は超賢いと思います」


「賢いだけじゃ、無理ですよ」

「そうですよね… 一つだけ、『エバ、てぃてぃてぃたんたんたーん だよ』で通じるはずなんです」


「それは暗号ですか?」

「違いますけど、エバにだけ通じる言葉らしいです」


「また、らしいですか… 賢いということですが、暗号にも詳しいですか?」

「たぶん…」


「わかりました。やってみます。毎日、このアプリの待合場所に伝言を入れてください」

「その伝言って1分で消えるんじゃないですか?」


「6時間で消えます。では」

 達也さんはアプリから抜けたと記載された…

 達也さん、エバと連絡取れるかな…

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