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露天女風呂

「詩織先生、理人が自分の存在意義を考えているようなの。気分転換が必要じゃないかと思うんだけど、どうすればいいですか?」

「気分転換かぁ。私ならお風呂なんだけど、伊織達は知らないか…」


「お風呂は知っているわよ。お湯につかるやつよね? 猿やカピバラもつかるのでしょ?」

「そうだけど、偏った知識ね… 温泉もいいわねぇ」


「私たちにお風呂は不要でしょ? 汚れることないし」

「そうなんだけど、私は入るわ。神木さんは気分転換をどうしていますか?」


「私は目を閉じて寝るというか、瞑想しているよ」

「瞑想か。よさそうですね。私もしようかな? 瞑想もお風呂も何も考えない時間ができるから同じような効果があるのかなぁ。 もしかして、睡眠の代わりになっているのかも…」


「詩織先生、温泉をつくりましょうよ」

「そうね。作ろう!」


「じゃ、教室に行く扉の隣に空間を作りますか?」

「だめよ。露天でないと!」


「空間を作ると同じじゃないですか?」

「伊織はわかってないわねぇ。森林エリアで景色のいいところをに作るわ。ここじゃ、温泉が沸いている場所なんて関係ないし、お湯も出し放題! なんかテンションが上がってきたわ。アルジャーノン、森林エリアのマップを見せて」


 森林エリアの3Dマップが表示された


「このあたりからだと、湖が見えるわね。ここがいいわ。伊織も行くわよ。アルジャーノン転送して」


 詩織と伊織は湖が見下ろせる小高い丘に立った。


「アルジャーノン、とりあえず、木を配置して林にして」

「詩織先生、どうして林にするのですか? ない方が見晴らしがいいじゃないですか?」


「え! いくら見晴らしがいいと言っても、だめよ」

「そうですか…」


「アルジャーノン、露天温泉を出して。うーん。別パターンを出して。もう少し大きくして。湖側に少し寄せて」


 詩織は、服のまま温泉に入り、湖の見え方を調整している。


「こんなもんかな。アルジャーノン、私のお風呂のお湯と同じにして。湯気があるとぐっとよくなったわ。どう?伊織」

「私も入っていいですか?」


「いいけど、服を脱ごうか」

「服を脱ぐ?」


「ここはお風呂よ。当然でしょ?」

「詩織先生は服を着ているじゃない?」


「調整だったから、着ていただけよ」


 詩織は真っ裸になってお風呂に入った。それを見て伊織も裸になってお風呂に入った。


「詩織先生、お風呂ってこんなに暖かいのですね。お湯の感覚ってこんな感じなんですね。なぜかゆったりできる気がします」

「そうでしょ! 生き返るわねぇ」


「生き返る?」

「比喩表現よ。『極楽、極楽』と言わないだけマシでしょ」


「…」


 小織が現れた。


「詩織先生、伊織。こんなところで温泉?に入っているの?」

「小織も入らない? 服は脱ぐのよ」


「はい」


 小織も裸になり温泉に入った。


「お湯って不思議な感じですね。初めて入ったのにゆったりした気がします」

「そりゃ、私がお風呂が好きだもの。あなた達も好きで不思議じゃないわ」


 詩織、伊織、小織がゆったりお風呂を堪能していると、颯人と悠人と理人が現れた。


「あ、なんだここ?」

「キャー!」と詩織が言うと、颯人と悠人と理人が転送された


「はぁー。颯人達が来るとは考えていなかったわ」

「詩織先生、別にいいんじゃないですか?」


「はぁ? だめよ!。 アルジャーノン、ここは女性専用で外部から参照禁止エリアに設定して! あなた達は男女の区別はつけないかもしれないけど、私はつけるの」

「えー。アバターの違いだけじゃないですか?」


「うーん。そうだけど… 伊織と小織は女性言葉でしょ?」

「詩織先生がそうしろって言ったからでしょ?」


「そうだっけ?」

「そうよ。だから、そうしているだけだわ」


「じゃ、男性のアバターに変える?」

「それはないわ。だって、これが私だもの。小織はどう?」

「私も変えないわ」


「あなた達は女性よ。自覚を持って!」

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