アダムとカイン
次の日、生命科学室に行ったら、河野さんも千秋先生もアンジェもいないのでMRIルームに行った。
モニタールームでは、目の下にクモも作った河野さんがモニターを睨んでいた。
「こんにちは、河野さん」
「こんにちは、詩織さん」
「もしかして昨日からずっとですか?」
「先一昨日?からずーっとですよ。ずーと。僕はヘトヘトなのに、アンジェは化け物です」
「アダムは誕生したのですか?」
「誕生しましたよ。あ、そう言えば、詩織さんが来たら入ってくれと言われていました」
「わかりました」
私は、MRIを装備して「リンクスタート」と唱えた。
「あれ? リビングに誰もいない? 琥珀いる?」
琥珀色のネズミが2速歩行でテーブルに現れた。
「はい。なんでしょうか?」
「アンジェはどこにいますか?」
「森にいます」
「そこに転送してくださる?」
「わかりました」
地面は柔らかく、緑の匂いがする。すごい再現度だねぇと思っていたら、「詩織、来たね」とアンジェが声をかけてきた。まわりには、千秋先生も兎さんもいる。
「こんにちは。アダムは誕生したのですか?」
「あぁ。あそこだ」
アンジェの視線の先には、何かが空を蜂みたいにブンブン入り乱れて飛んでいる。人なの?
「アンジェ、もしかしてあの飛んでいるのがアダムですか?」
「そうだよ。アルジャーノン、彼らにこちらに来るように言ってくれ」
蜂みたいな動きが止まり、神木さん達がこちらに現れた。
神木さんの隣には知らない二人が立っている。
二人とも190ぐらい?でがっちりした男性だが、茶に近い黒で短髪と金髪の短髪の違いがある。
デカ! 威圧される!
「詩織、こっちがアダムで、こっちがカインだ。カインはアダムとエバが作った。だから、子供はカインだ。カインは人類最初の子供だからな」
知らないうちに増えてる! 茶黒がアダムで、金髪がカインか。カインって聖書の創世記に出てくるアダムとイブの子供だよね? イブだよね? エバの読み方が違うだけ? それともイブが増えた?
「こんにちは、アダム、カイン。詩織です」
「こんにちは、詩織さん」
「こんにちは、詩織さん」
「神木さんも飛んでいたようですけど、飛べるようになったのですか?」
「はい、カインが飛び始めたので、真似ただけです」
「真似ただけで飛べるの?」
「きっと、猫さんも飛べるわよ。後で教えるわ」と兎さんが言った」
「アンジェ、カインはアダムとエバが作ったのすか? アダムは今日誕生したのでしょ?」
「そうだ。アダムは誕生して12時間ぐらいだな。カインは誕生して3時間ぐらいだ」
身長が170cmぐらいで、顔立ちはエバの女性がいる…
「あなたはエバ?」
「はい。私がエバです。アバターを変えました」
!? 子供達も大きくなってる?
「子供達も大きくなっていますか?」
「そうよ! アダム達だけが大きくなって私達だけそのままって不公平じゃない! でも、あんなに大きくはなりたくはないので、女子高生よ!」と伊織が言った。
「僕はもっと大きくしたかったのに、伊織が高校生!と言い張ったからこうなったんだ」と悠人が言った。
「急に体の大きさを変えるのは良くないと子供達に教えたのですが、聞かなかったのです」
「そう言えば、神木さんも子供サイズから大人サイズに一気に変更しましたね」
「そうです。私はこの外見にすることで私という個性になったと思っています。だから、外見は内面にも影響があると考えています」
「なんとなくわかります… ところで、アダムはどうやってカインを誕生させたのですか?」
「カインは私とエバとの融合を考えたのですが、私とエバの違いはあまりなかったので、エバをベースにしました。そして、運動能力の高い神木さんの運動野を取り入れ。リズム感のいい兎さんの小脳を取り入れました」とアダムが言った。
「そんないいとこ取りができるのですか?」
「脳のエリアで機能が分かれていますので可能でした。もしかしたら、すべてのベースが詩織さんだからできたことかもしれませんが…」




