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NASA用仮想空間 その1

 NASA用の仮想環境が構築され、今までの仮想環境とのワープポイント?も用意された。このワープポイントを利用するとNASA用の仮想環境と今までの仮想環境を自由に移動できるそうだ。


 NASA用の仮想環境には、無重力の訓練用の設備が設定された。仮想環境は宇宙飛行士がヘッドマウントディスプレイで機器の使い方や場所の確認を行う。しかし、触感や浮遊感がないため機器ができるまでの確認用にしかならないため、動かないものの多いらしい。

 今回は、神木さん達は実際に入れるため、動かせるように調整しているとのことだ。


 きょうは初日のため、私も参加させてもらっている。


 千秋:「これからNASA用の仮想環境に移動するぞ。準備はいいか?」

「「はい!」」


 私たちは移動した。

 倉庫のような広い空間に宇宙ステーションのモジュール?がいくつも配置している。

 私は圧倒されて何も言えないが、子供達は違った…


 エリック:「みんなどうだい? 現在利用されている宇宙ステーションだよ」

 神木:「すごいですね。こんなに大きいのですね」

 伊織:「ここは無重力じゃないのね」

 悠人:「少し小さくないか?」

 颯人:「重いと費用がかさむからな」


 エリック:「ははは… 感想が想像と違いすぎて少しびっくりしたよ。早速、宇宙服を着てくれる?」

 兎:「宇宙服! いいわねぇ。着てみたかったのよ」

 伊織:「私たちが宇宙に出たとしても、宇宙に生身の体で出ないから宇宙服なんていらないじゃない?」

 颯人:「そもそも、空気もいらないからね」

 小織:「動きにくそうね」

 理人:「宇宙の真空状態や熱環境、宇宙放射線、宇宙塵から守る必要があるからね。ロボットであっても、同じだからアバターと思えばいいんじゃないか?」

 伊織:「そうね」


 エリック:「はぁ。もう少し喜ぶと思ったけど…」

 河野:「エリック、僕は興奮していますよ! この宇宙服はかなりスタイリッシュだね。指も動かしやすいように改良されているね」


 エリック:「そうだろ! 最新モデルなんだよ」

 エミリー:「エリック、始めるぞ」


 河野:「神木さん達に宇宙服を着せますね」

 エミリー:「よろしく」


 河野:「みんな、そこに並んで」

 河野さん達が並び、宇宙服に変更された。


 伊織:「小織の予想通り、動きにくいわね。可愛くないし…」

 小織:「これじゃ、モノを掴んだ感触が手に伝わらないから難しくない?」

 理人:「触感の実装ができていないんじゃないかな? 見ていないと掴めないね。それに本物の宇宙服とは感触も硬さも違うと思うよ」

 颯人:「それじゃ、宇宙服を着る意味じゃないじゃないか?」


 エリックががっかりしている…


 神木:「みんな、私語は控えなさい」

 エリック:「みなさんの言う通りです… 我々が大きさや配置を確認するためですので詳細には作れていないのです」


 エミリー:「無重力を体験してもらいましょう。エリック、落ち込んでいないで案内して」

 エリック:「…こちらです。」


 モジュールの部屋が開けられた。

 子供達が順番に入っていく。

『わー』とか、『きゃー』とかが聞こえない…


 子供達はうまく壁を蹴って隅々まで探索している。

 みんなうまいわ。

『え! いいなぁ。私、知らないよ! どうして教えてくれないのよ』と言いたいのを我慢した…


 エリック:「え! すごい!」

 エミリー:「みんな、驚かないわね。宇宙に慣れた飛行士みたい」

 神木:「仮想空間に無重力空間を作って、遊んでいましたから」


 颯人:「おい! こっちも入れるみたいだぞ」

 悠人:「ほんとだ。開けろよ」

 颯人:「ドアのロックってこんなに軽いというか、摩擦がないんじゃないか?」

 悠人:「調整されていないのかな? こんなことは僕たちの仮想環境ではないな。ま、いいじゃないか、颯人、早く入れよ!」


 颯人:「あぁ」

 ガコガコッと音がして、「いてぇ!」と声がした。


 エミリー:「あ、無重力じゃないモジュールに入ったんじゃない?」

 エリック:「ロックするのを忘れていました…」

連日更新は4ヶ月に到達です。

読みにくいとか、分かりにくいとか、設定がおかしいなど教えていただければ幸いです。

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