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攻撃

「おはようございます。河野さん、絵梨香さん。味覚の準備ができたって… 何かあったのですか?」

「トロイの木馬による攻撃と、DDoS攻撃がありました」


「ディードス攻撃?」

「話は後です」


「詩織さん、外部と内部で同時にネットワークへの攻撃が発生しているんです」

「絵梨香さんは忙しくないのですか?」


「内部は攻撃されている箇所と攻撃元は特定できているので私のすることは終了です」

「河野さんは?」


「トロイの木馬の侵入経路と侵入方法の調査です。それと、外部のDDoS対策ですが、それはいつものことなので…」

「ディードス攻撃ってなんですか?」


「Distributed Denial of Serviceの略で複数から同時に攻撃することで通常の処理ができなくする攻撃です」

「DDoS攻撃ってよくあることなのですか?」


「ここまで大規模なものは少ないですよ」

「どうしてですか?」


「嫌がらせみたいなものですし、対応策もあります。トロイの木馬が侵入していることです。こちらの調査は私は不得意なので、橋田さんたちの仕事です」

「河野さんはどうして忙しいのですか?」


「データセンタのリソースがDDoS対応に取られるので、仮想世界のリソース制限の調整をしています」

「仮想世界のリソース制限!? 神木さんたちは大丈夫なんですか?」


「私は停止してしまえばいいんじゃないか?と言ったのですけど、河野さんは停止はしたくないということだったので…」

「停止しても影響はないのですか?」


「停止しても光量子コンピュータのメモリはそのままだから、問題ないですよ。仮想環境でも通常のコンピュータを使っている部分はバックアップに戻ることになる可能性がありますが… ちょっとぐらい前に戻っても大きな影響はないと思うのですが…」

「通常のコンピュータを使っている部分ってなんですか?」


「リビングや教室などの空間の方です」

「今はどうなっているのですか?」


「そうですねぇ」と言いながら、絵梨香さんが端末を操作して調べている。すると、河野さんが話しかけてきた。


「仮想環境への影響はありましたが、今は元に戻っています」

「攻撃への対応はいいのですか?」


「はい。沈静化したので大丈夫です」

「侵入経路の調査も終わったのですか?」


「それは橋田さんの仕事なので…。これから、仮想環境に入って調査しますが、詩織さんも仮想空間に入りますか?」

「入ります!」


「MRIは利用しないので、通常のヘッドマウントディスプレイなので、ここで入りますよ」

「えー。どうしてMRIは利用しないのですか?」


「まだ、攻撃があるかもしれません。MRI接続中に停止すると詩織さんが危険です」

「…そうですか、わかりました」


 河野さんと私はヘッドマウントディスプレイをつけた


「「リンクスタート」」


 リビングに入ると、神木さんと颯人だけがいた


「こんにちは、神木さん、颯人。他の人は?」

「こんにちは、詩織さん。兎さん、伊織、小織はシンデレラ城です。悠人と理人は森です」


「どうして戻っていないのですか?」

「転送は危険かもしれないので待ってもらっています」


「転送しても問題ないです」と河野さんが言った。

「わかりました。アルジャーノン、兎さんと理人のところに行って、こちらに戻るように言ってください」


 アルジャーノンは「わかりました」といい、消えた。

 しばらくすると、全員が揃った。


 河野:「みなさん、大丈夫そうですね。30分ほど前にネットワークへの攻撃がありました。今は沈静化しているので復旧しています。今後、同じことが発生した場合には今回のように移動せず、そのままで待機するしてください」


 みんながうなずいた。


 神木:「河野さん、今回のように攻撃があった場合、こちらにはどのような影響がありますか?」

 河野:「まず、レイトレースが停止しますので、光の反射がなくなるので、透明のものは透過しなくなります。風も停止します。その後はオブジェクトの移動ができなくなります。今回はここまででした」


 神木:「扉が開かなくなったのはそのためですね。それ以上はどうなりますか?」

 河野:「まずないと思いますが… オブジェクトがなくなります」


 神木:「オブジェクトがなくなったらどうなりますか?」

 河野:「何もない空間になります」


 神木さんは今後のことも分かったようなので、あえて聞かないように見える。

 兎さんもわかったようだね。


 理人:「その後は? 僕たちも消えるのですか?」

 河野:「…一時的に消えますが、戻せます」


 理人:「戻せる?」

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