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閑話 悠人の実験

 悠人と理人は、アルジャーノンに頼んで森に転送してもらった。


「やっと森に来れたな… やっぱり森はいいよなぁ」

「悠人は森がすきだよなぁ。なぜだ?」


「どうしてかな? 体を動かせるからかな」

「体育館でもできるだろ?」


「体育館も悪くはないけど… 変化がすくないからかなぁ。こっちの方が広いから? ま、いいじゃん。どうして、理人はこっちに来たんだ? 颯人と一緒に神木先生に現実世界の調査じゃないのか?」

「悠人が何をしでかすかわからないかなぁ。」


「神木先生の速度の秘密をさぐるだけだよ。さっそく始めようぜ」

「わかった。どうやって秘密をさぐるんだ?」


「まずは神木先生が最高速度の再現だな。同じ枝、同じ速度で枝を掴んで同じ加速ができるかを試す」

「そうだな。それがいいな」


「アルジャーノン、神木先生が最高速度を出した場所に転送して」

 森の中に転送された。


「アルジャーノン、神木先生の最高速度をだした映像を出して」

 悠人と理人は映像を確認して、枝を確認し、飛び移る枝、枝を捕まえる速度、角度を詳細に確認した。


「これで何回目だ?」

「20回目。神木先生の最高速度にはまだ及ばないが誤差範囲じゃないか? 悠人の最高速度は10%も向上したからいいだろ? 同じ場所での追いかけっこはあるけど、今回と全く同じ環境、状況での追いかけっこなんてないぞ」


「そうだけど…」

「じゃ、次回の追いかけっこで颯人と比べてみれば?」


「どうして颯人なんだ? 理人でもいいんじゃないか?」

「僕は枝のしなりをどう利用するのかは知っているが、颯人は知らない」

「なるほど。 じゃ、もう少し別の環境で枝のしなりを利用した訓練をしたいな」


 理人は悠人に訓練に付き合って練習をしていたが、理人は枝を掴み損なった。


「理人、大丈夫か?」

「今何かおかしくなかったか?」


 悠人は周りを見回したり、枝を揺らしたり、手を開いたり閉じたりした。

「別におかしくないぞ」

「アルジャーノン、何か起こったか?」


「アルジャーノンが答えないな」

「悠人、やっぱりおかしいぞ。だんだんおかしくなっている。風が吹いていない」


 悠人は周りを見回し、枝を揺らそうと枝を掴んだ。

「理人、枝がしならない。固定されているようだ」

「何かが起こったのだろうが、リビングルームへの移動はできないな」


「メールやチャットも端末がないとなぁ。アルジャーノンも出てこないし。お手上げだな」

 理人は考えて、悠人をじっと見つめる


「理人、どうした?」

「しかたないな。緊急事態だしな。メールを送る」


「どうやって?」

「…」


 理人はメニューを使って端末をだし、メールを送信した。


「こちらの状況を神木先生と詩織先生にメールした」

「理人、どうやったんだ? 教えろよ。同じことが発生したら通知できないじゃないか?」


「…そうだな。緊急以外は使うなよ」と理人は言うと、悠人に端末の出し方を教えた。


「これって無敵じゃん」

「この世界ではなんでもできるけど、この世界に限ってだよ。しかも、今みたいにこの世界が正常に動作していないと役に立たない」


「理人、これを使えば転送できるんだろ? どうしてリビングに移動しないんだ?」

「この世界はレンダリングされている。レンダリングには優先順位があって第一優先は僕たちの人だ、次が建物などらしいが、動かない」


「レンダリングされないとどうなるんだ?」

「たぶん。消える」


「消えてももう一度作れるから問題ないかもしれないけど、俺たちもそうなのか?」

「どうだろう? 消えたことはないと思うけど、もし消された時の記憶はないから気づかないかも」


「!? 僕たちが消えたことがあるかもしれないってことか?」

「わからない」


「他の奴らは大丈夫かな?」

「颯人には神木先生がいるし、伊織と小織には詩織先生がついているから僕たちより安全だじゃないかな」

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