表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨は降る  作者: 坂本瞳子
96/125

雨降りの映画館 (四三)

オジサンは慣れているのかテキパキと買い物を進めた。薄汚い格好からはちょっと想像できないくらいだった。肉のコーナーに来ると牛肉と豚肉のパックを一つずつ取ってオレに見せた。

「カレーといえばチキンだろ?」

「…はぁ。」

どう答えるのが正解か分からなかった。オジサンはちょっとイラッとした顔付きをした。

「どっち?」

「…ボクは、…ポークがすきです。」

オジサンは目を見張るようにまあるくした。そして二つのパックを元に戻して、高級そうな牛肉のパックを手にした。

こういうことが前にも、遠い昔にもあったような気がしたけれど、思い出そうとしてもオジサンはズンズンと買い物を続けて進んで行ってしまう。野菜やら飲み物やら結構な分量を買った。レジでは「え?」と思うような合計金額だったけれど、オジサンは平然とポケットの中から皺くちゃの一万円札を出して丁寧に拡げてから私、お釣りを受け取るとそれを無造作にポケットに突っ込んだ。そして大きい方の袋ばかり二つともをオレに持たせて歩き始めた。結構重かった。オジサンは小さい方の袋、しかも片手にビール缶を開けて飲みながらオレの前を歩いた。

雨はもうほとんど降っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ