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雨は降る  作者: 坂本瞳子
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雨降りの映画館 (三八)

香里ちゃんの目からは大粒の涙がこぼれ落ちてた。

「オレ…なに、ワルイコトした?」

「すみません。」

「…オヤジが謝るくらい、ワルイコト?」

そのとき、扉が荒々しく開けられ、入ってきた人があった。差してきたのだろう傘をまともに畳もせず、ドカドカと足音を立てて、その男は香里ちゃんを抱きしめた。香里ちゃんは声を上げて泣き出した。それはもう、小さい子どものようにワーン、ワーンと大声を上げて泣いた。ミキの親父、なんだか随分汚れた服装で、髪も髭も伸びてて、子供の頃に見たときよりもずっとガタイが良くなってる感じだけれど、それは紛れもなくミキのオジちゃんで、香里ちゃんを強く抱きしめたままオレを睨みつけてた。

オヤジはその場に崩折れ土下座した。オレも、オヤジに足を、腕を引っ張られて、それから上半身を倒されて、頭を後ろから押さえつけられて土下座した。

オレはもう、なにがなんだか訳が分からなかった。けれど随分悲しくって、哀しくって、とっても惨めな気持ちにさせられた。

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