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雨降りの映画館 (三六)
オレはミキに手を合わせて冥福を祈った。心のなかで本当にそう呟いた。
手を戻して部屋の中へ向き直ると、香里ちゃんはオレを見てた。蔑むようにでも、睨みつけるのでもなく、オレを見てた。オレはなんだか目を合わせていられなくて、窓の向こう、降り続く雨を見るようにした。
オヤジはその場に正座した。オレの膝を腕を引っ張って、オレにも正座させた。
オヤジは深々と前身を倒した。それは土下座のようにも見えた。オレも同じようにしなくちゃいけないんだろうか。なんのために?少し迷った。オヤジはオレの腕を引っ張って、同じようにしろと催促してきた。だからなんとなく前屈みになった。
「この度は誠にご愁傷様です。」
オヤジの声は少し震えているようにさえ思われた。




