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店の中、雨は降らない (三)
「あ、は、はい。」
ねぇさん、金を入れた。ジャラジャラっと玉が出てくる。驚いてる。
店の自動ドアが開くと、ねぇさんはそっちを見る。ミラーを探し当て、だれかを確認してるみたいだ。
「ほら、ハンドル。」
「あ、は、はい。」
ねぇさんは台を見回して、ハンドルを見つける。おいおい、押してるよ。で、なんにもならないの分かって右にひねった。玉が台を廻る。おいおい、一回ずつひねってるよ。
「次ハンドル廻したらそのまま固定して。」
「あ、は、はい。」
玉が周り続ける台をねぇさんびっくりして眺めてる。でも、自動ドアから人が入ってくるたびに確認してんだよな。っつーか、多分、雨宿りがてら、結構たびたび客が入ってきてんだよな。みんな慌ててる感じ。傘、持ってない人も結構。オレだって降るとは思ってなかったら傘持ってねーし。




