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私たちの足跡  作者: Alice
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〜幼少期から中学まで〜

私の名前は、ありす。

田舎町で生まれた。

兄が2人居る末っ子長女。

幼い頃の私は、どちらかと言うと大人しい子だった。

いつも次男の後を、くっついて回る様な子だった。


父は、お酒を飲むと直ぐに暴力を振るった。

幼い頃の母の記憶は未だに無い。

私たち兄弟は祖父母が大好きで、祖父母に育ててもらった様なものだ。


幼い頃の私は、これから歩く人生が波瀾万丈だとは思っても居なかった。

「子供なんか大っ嫌いだ」

それが父の口癖だった。


私たち兄弟は、怯えながら生活をしていた。

いつもタバコの煙が充満する部屋で

父の麻雀のゲーム音が鳴り響く。


「外へ出てろ!」


何度、家から追い出された事か。

数えきれない。


私が8歳になるまで、住んでいたアパートはボロボロで、お風呂の湯船の下からは、ナメクジや蛾が良く出て来ていた。


「私のお友達は君だけ」

そう言って昔から家に置いてある犬の、ぬいぐるみだけが唯一の友達だった。

「おい!そいつの名前はトムにしようぜ!」

そう次男が私に提案して来たのは、良く読んでいた小説の名前から取った名前だった。


私は、毎日毎日トムを抱っこして生活をしていた。

寝る時も遊ぶ時も、ずっと一緒にいた。

友達の様な自分の分身の様な。

私が、ぬいぐるみを抱っこしていると祖母が

「自分の子供を抱っこしてるみたいだ」

と言っていた。


そんなある日、5歳の頃私は幼稚園でイジメにあった。

お昼ご飯の時間でパンを牛乳で流し込んで食べていた。

父に教えてもらった食べ方だった。


「え?何でパンと牛乳一緒に食べてるの?おかしいんじゃないの?」


男の子の一言に教室中が私を見た。


「ありすちゃん変な食べ方してるー!」

「本当だ!ありすちゃんの食べ方変だよー!」

「真似してみよーぜ!」


そう言って男女数人が私の真似をして笑い始めた。


私は、顔を真っ赤にして俯いた。

先生も何も言わない。

この日から、私は幼稚園でイジメられる様になった。


「早く年長さんにならないかな...」


それが私の口癖になっていた。


6歳になったら、イジメがどんどんエスカレートした。

私は、幼稚園に行くのが嫌で良く休んでいた。

きっと母に何か言われていたと思うが記憶がない。


土日は必ず祖父母の家に行っていた。

祖父母の家では、ハスキーを飼っていて凄く大好きだった。

ハスキーと4歳年上の次男と良く遊んでいた。

ずっと遊んでいたハスキーが8歳の頃、この世を旅立った。

人生で初めて大切なモノを失った。


8歳になった頃、一軒家に引っ越した。


小学生になっても、イジメは止まらなかった。


10歳の頃、初潮が来た。

体育の時間に走れなかった私に対して同級生の男子が、怒ったのがキッカケだった。

私は、クラス全員にイジメられるようになった。


「アイツと喋るな!」


お決まりのセリフと共にイジメがスタートし

私は、そのまま登校拒否になった。

登校拒否になった私の元に当時担任をしていた先生が、毎朝迎えに来た。

私は、それでも登校する事は無かった。

きっと、この頃も母は私に何かを言ったのだと思うが記憶がない。

父は、その頃も毎日の様に私たちに手を挙げた。

寝ている私を蹴り飛ばした時もあった。

この頃から私の居場所は、どこにあるのか分からなかったのだと思う。


小学5年生の頃には、学校に化粧をし派手な服装をしていくようになった。

1つ上の先輩達に目をつけられるようになった。


「お前、生意気なんだよ!」


そう言って来る先輩達に


「は?うざっ」


そう言い返すのが当たり前になっていた。

自分を派手に着飾る事でしか、自分を表現出来ずに居たんだと思う。


小学校の卒業式には、涙を流す事も無かった。


「ありすちゃんは冷たいね」


そう言われたのを今でも覚えている。


私の人生を大きく変える中学生活が、これから待っているとは、この時思ってもいなかった。


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