表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/586

開戦の合図

 その話を聞いて伊澄は嫌な予感がしていた。

「何回かあの『鳥籠』をオレは見ている。あれが事実上〝魂の楔〟なのだろう。しかし、どうやらまだ不完全のようである。その証拠に湊の心の臓を解き放つと崩壊してしまっている」

「不完全ってどれくらいなんだ」

「わからん……あいつは〝女王リリス〟を召喚する能力があるぐらいだからなぁ、それを使っても数日……か」

「出雲はまだ尻尾を掴めていないのか!」

 他から苛立ちの声が飛び出す。

「まだ数日で掴めるわけないでしょ!」

 祖母である薬研志乃はその意見に苛立ち反論した。


 それでも数日猶予がある。


「猶予はありませんよ」

 椛が告げる。

「あれは〝運命の花嫁〟なのをお忘れですか」


 それが何を意味するのか……忘れていた。



 ノアのモノとなった場合、覇権がノアの手に入る。



 全員に焦りが走る。

 その状態になった場合、奪還は不可能となり、争奪戦は終わってしまう。


「それに足取り追うのも……亜空間に逃げ込みましたか」

 椛が指輪を受け取り、足取りを追ってみるが、上手くいかない。

 普通、人間は亜空間に滞在はできない。それも解せなかった。

「ある仮説ですが……ノアは人ではないのではないでしょうか」


 そのことを受け、永遠がハッと何かに気づく。

「私と一戦交えた時、変わった移動方法していたな」

 それを受け伊澄も思い出した。

「そろそろ捕獲しましょうか」

 それで意見は一致していた。




 それは境内の中央に描かれた魔法陣だった。

 その中央に指輪を置き、陣を囲うように、現役四名と現当主陣が総勢十名総出でアプローチを仕掛ける。

 亜空間への足取りはとてもか細い。緻密な捜索を並列操作で行っていた。誰か一人でも掴めたら乗り込める。それに賭けていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ