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収集癖のアイテム活用術  作者: 詩織
異世界転移
7/7

7話.やっぱりハムかなぁ...

当社比ちょっと長いのでほめてください


お腹が空いた!


とかいう場合では無いのですが、本当にお腹と背中がくっつきそうにお腹が減っているのです。


「な、何かないか」


ちょっと前まで頭の中はぐちゃぐちゃだったのはポーンとどこかへ、何かを食べることしか考えられない。


開けと妖精の鞄を開いて何か食べれるものはないかと探すと、お誂え向きにサンドイッチが一つ。


「このまま、鞄に入れとくと乾いちゃうからね、うん」


妖精の鞄は中の物の時間は等しく流れるので、このまま入れておくといつかは乾いてきて美味しくなくなり、食べられなくなってしまう。


サンドイッチを選択して異空間からサンドイッチを取り出す。

片手で取り出すと思ってた以上のサイズがあり、おっとっとと両手で支える。

落とさないように膝にサンドイッチボックスを置く。


パカりとサンドイッチボックスの蓋を開けるとズラリと並ぶサンドイッチ。

それはそれはもう、ギッシリたっぷり。


その名も「一斤サンドイッチ」。一斤分のサンドイッチが大きいサンドイッチボックスにギッシリズッシリ詰まっているアイテム。


ハムやら卵ペースト、ツナにチキンと何種類もの具材をサンドした物が沢山詰まっている。

その中から一つ適当に取り出して一口。ハムときゅうりのサンドイッチ。


「うっま」


もしゃもしゃとあっという間に一つお腹に入れる。

二斤とか食べれないけど、各1つづつ食べたらまた妖精の鞄に入れれば良いかと1つづつ腹に入れていく。


「んー、美味しい、凄く美味しいけど」


何故か全然腹は膨れない。

10個近いサンドイッチを食べているのに、腹三分目程度までしか満ちていない。


なんでだろう。


とりあえず、


「サンドイッチうめぇ」


もしゃあと無心でサンドイッチを食べる。

こんな状況ですが美味しいです。ちょっと泣きそう。


バクバクと、一斤分あった大量のサンドイッチを、何と全て食べきってしまう。


これでもう満腹、とまではいかない程度に膨れた。

なんでこんなに食べれるんだろう、と考えながら妖精の鞄に空のサンドイッチボックスを入れる。


考えられるとしたらゲーム内でな何かが原因だよな。

これといって・・・大食い技能位しか思いつかないけど・・・。


・・・うん、思い当たるものあったね。


名前の通り、沢山食べ物を食べることができる技能。

満腹度の上限を上げて、更に満腹度の減少を速める効果がある。

いわゆる趣味技能として存在して、戦闘何かには特に役立たない。


バフがつく料理はいくら食べても重複しないし、後から食べたもので上書きされちゃうからね。

いうなれば、いっぱいご飯が食べたい!っていう夢を叶えた技能。


私は1日3食キッチリ取った状態で、大体1食2倍ちょい食べれる位。

つまりゲーム内の満腹度上限が200%位あった感じ。

技能レベルを上げてる人はもっと食べれるけど、私はほどほどにいっぱい食べたいのでこの位。


何でさっきはこんなにお腹すいてるのかは・・・大食い技能のデメリットかな。

しばらく食べてない状態でいると、つまり満腹度0%の状態。

ご飯のことしか考えられない!っていう状態になり、ある程度の食事を取るまで強制的に身体の動きが鈍くなるなどの状態異常が付与される。


そして満腹度が0から200%付近まで回復するには二食分では足りない。

大体一食分で70~80%回復するので。まあメニューにもよるけど。

焼肉食べ放題とオムライスが同じ回復力な訳無いし。


つまるところ、ゲーム内で得た技能が私にちゃんと反映されてるってことか。


毎食最低でも人の倍は食べないといけないのか...。


ハッと妖精の鞄を開く。一大事というやつ。


食べれるものは、サンドイッチは食べちゃって、主食は固めのパンが6個...一回の食事で最低2個食べるから一日分結構大きいので食べ応えと食べにくさ満天です。味は美味しい。


大ぶりの干し肉が20個。のぺーんとした形の物が布の袋に入ってている。そのまま食べたり炙ったりスープに入れたりと大活躍。

スーパーとかで売ってるジャーキーとはちょっと違う感じ。初めて食べた時は干し肉ってこんなんなんだーって思った。

素材はワイバーンのお肉です、在庫過多故に。ワイバーンの干し肉は何故かもっちもっちします。


干した野菜は人参とごぼうと大根です。

名前の通り、ただの干した野菜です。

あまり干した野菜の使い方が分からないので、汁に入れて煮込んでスープにいつもしてます。

量はそんなにある訳ではないけど、汁にするなら2回くらい・・・一回を少なめにすれば三回分。


干したキノコはゲーム内に存在する美味しいキノコをピックアップして持ってきてます。

煮ると汁に旨味がとけだす溶け出すシリィ茸、同じく煮るためのパプン茸、乾燥してから焼くとジワリと美味しいカンソ茸。

この三つを小袋に入れて鞄に入れてます。


あとはりんごリンゴジュースと酒。OSAKEは大事です。

ワインとブランデーが今は入ってます。高いお酒とかでも気軽に飲めるのでいいゲームでした。


瓶に一定温度にするための刻印(こくいん)が描いてあるのでお酒が適温で入れてあります。

刻印ってなんだそれって思います?

生産系技能の一つで、刻印という特殊な模様を描いたり刻んだり掘ったりと魔力とか込めると不思議な効果を発揮する。

刻印の形が歪んだり欠けたりすると途端に効果を失うし、良い効果を出すためには相応の素材が必要だったりする。

なので食材を入れてある布の袋には刻印できないが、瓶には刻印できるのだ。布は簡単に歪んじゃうからね。


ちなみに妖精の鞄には重さ制限とついでに個数制限がちゃんとあるので、食材のために箱を用意して入れて、とすると箱の重量で他に何も入れられなくなってしまうので基本的に布の袋を使用してます。


メインストーリーを進めてくと容量は増えてくけど、他にも持たないといけないものやら敵の素材何かを入れるには出来るだけスペースを開けておきたいし。

モンスターの素材とか全部持って帰んないのは何か勿体なく感じちゃって、全部持って帰ろうとするからすぐに鞄は一杯になっちゃうし。


水に関しては、水精製魔術があってそれを多用してます。

込めた分だけ水が作れる魔術で、何故か中級魔術に相当する術です。

中級というか、魔術は使用難易度とかで等級が分けられてて、これは大体中級。

1~12等級あり、12等級~9等級が初級、8等級~5等級が中級、4等級から上が上級と大雑把に分けられてます。

一々これは何等級かって言うのは面倒だからなのか、これが広まってます。


水精製魔術の溢れ出る雫は中級で、牽制として使ってた今私の主力の水の矢は初級。

何で水を作る魔術が中級なのかは知らない。検証とか調べてる人とかなら分かるけど、そこまで興味はないので。


でも、この魔術を多用して詠唱を覚えておいて良かった。

水があれば一ヶ月は生きてけるらしいし、水はあればあるだけ良いからね。


一回試しに使ってみるか、途端に出来なかったら大変だから。

えーと、詠唱は、


「我は旅人 求む者 その(かいな)より 零れ落ちる水よ 我が乾きを癒せ『溢れ出る雫』」


誰がこの詠唱考えたのでしょうか。何で旅人で求めてて腕なのか・・・。


手のひらを合わせてお椀の形にして、虚空から零れ落ちてくる水を受け止める。

少しひんやりとした温度を感じるソレを、ゆっくりと傾けながら飲み干す。


「みずだ」


ちゃんと美味しい水です。

というか、ゲームの食べ物が現実にやってきて食べてるけど、これはちゃんとした食べ物だろうか。

それに魔術で出した水の安全性もわからないし。

そんなこんなを気にしてご飯を食べなかったら死ぬから、見ないふりするしかないんだけれど。


水は大丈夫で、あとはご飯。

このままいくと、数日後には食べ物がなくなる。

大食い技能のせいで、木の実齧るとかじゃあ持たない。

できるだけ沢山の食糧を手に入れるには。


命を繋ぐには、何かを犠牲に成り立つ。

だから、だからね。

ちゃんと覚悟を決めて、だれかを傷つけるのを自覚して、命をもらう。


私の糧になってもらうぞ、ラウンド・パンサー!


すっごい細かくアイテムの説明とかしてるけどチョー楽しい


次回予告

多分戦闘。食欲につられて戦う覚悟を決めた主人公、はたしていっぱいのお肉は現実になるのか。マテ次回

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