5話.ファーストコンタクトのお届け
アイテムの説明とかそういうのはその内出ると思うのでさらっと流して欲しいかと
出なかったらごめんなさい
あとちょっと短い!ただでさえ短めなのに!500文字ぐらいいつものより!
2等級のポーションが99本もあれば、即死以外なら生きてけるよね。
いのちだいじに生きていこう。
・・・死にたくないもんね。
生きて、家に帰りたいし。
今いるここがゲーム内の世界で、そういう世界が実はあって私はそこに何らかの手段で...もしくはアクシデントで連れてこられた。
私には何があったかは分からないけど、死にたくない。帰りたい。
モンスターは怖いし、でもゲームじゃないリアルな獣を倒したことは無い。
でも、でもね。
自分が食われるくらいなら、武器を手に取って戦うくらいはしなきゃ。
そう、この木に登って撒いたと思ったラウンド・パンサーがお仲間引連れてこちらを睨みつけてるんだもん。
武器取らねば食われるのみ、やってやろうじゃないか。
「いやめっちゃ怖い」
弱音は吐かせてくれ。頑張るから。
今見えてるラウンド・パンサーは5匹。木の回りをウロウロとしながらこちらを見ている。
いつ降りてくるかも分からないのに、こちらを食べる気満々。
武器を手に斬り込むのは、ファーストコンタクトとしてはちょっと難易度高い。
遠距離・・・遠距離攻撃。
弓とかボウガンは無い。物理的な遠距離攻撃は、鋼鉄のナイフを投げるしか方法は無いので除外。
まあ順当に残った手段としては魔術しか無い。
魔法じゃないよ魔術だよ。
私はやりたいことやって何にでも手を出てたから、魔術技能もそこそこ取得済みです。
遠距離攻撃で、森の中、複数の敵、可能ならばホーミングあり、威力はそこそこ。
該当する魔術を頭の中で思い浮かべ、発動しようとして諦めた。
詠唱が必要でして、噛まずに間違えずに呪文を唱えます。
間違えずに、唱えます。
呪文とか覚えて無いよ?
呪文を唱える系のジョブに就いてる人は、予め魔術書とかを用意してカンペを見ながら唱える。もしくは覚える。
私は、必要な時に倉庫から魔術書を取り出して見ながら呪文を唱える。
つまるところ、魔術書を今現在所持してないので呪文が分からないということです。
水を出す魔術の『溢れ出る雫』とか、チャッカマンな魔術『小さき炎』の呪文は覚えてるんだけどね。
あとは詠唱の短い、牽制用の魔術とか。
・・・いや、ラウンド・パンサーはそこまで強いモンスターでは無い。
初心者を抜け出したばかりの人が狩るモンスターだ。
ワンチャン牽制用の魔術でいけないかな?
無理ならば、無理ならば覚悟を決めて武器でアタックすればいい事だし。
牽制用の魔術という名目の詠唱短めの魔術なだけだから、威力はそこそこあるし。
「開け」
妖精の鞄を開き魔術発動に必要な杖、水樹のワンドを取り出す。
水樹に水の力が宿る上等な魔石をあしらった美しい杖。
メインアタック専用じゃないので、ワンドをあえて使ってます。
片手で水樹のワンドを構え、構えてみる。
カッコイイしちょっとテンション上がるよね。
呪文はちゃーんと覚えてるけど、噛まないように心の中で何度か反復する。
間違えると魔力だけ減っちゃって発動しないからね。
「よしっ」
呼吸を整え。
少し多めに息を吸い。
ちょっと口から二酸化炭素を吐き出す。
乾いた唇を舌で濡らし、いざ。
水樹のワンドを構え、魔術を詠唱する。
ゲーム内の感覚を思い出し、集中しながら・・・。
「水よ集いて 矢となり 射れ『水の矢』」
ちょっとカッコつけてます。まだビシッとワンドを構えてます。
体から何かが抜けるような感覚と共に、どこからともなく水が眼前に浮かび、集い、細長い形に形成される。
おおっと驚く。
べしゃりと水は落ちる。
「・・・・・・」
両手で顔を覆う。
「何でやねん・・・」
辛い。格好つけたのに。
殺すじゃなくて倒す