1話.春から夏へ
「読まなくても大丈夫な前書き」
小説書いてみたいなって気持ちと承認欲求が爆発して投稿します。好きな物を詰め込んでます。プロットとか用意せずに思いついたのを上から順に書いてるので結構変ですけど、まあいいだろってそのままです。そのうち変えるかも。更新が遅い頑張る。勢いと勢いで書いてきます。よろしくお願いします
っていう保身
「ここはー!どこだー!」
ホーホケキョ。そんな声が聞こえる春うららかなそんなある日。
木漏れ日が気持ちいい、そんな風に思っていた。
唐突に
ぐにゃり、視界が歪むような己が捻れるような。
視界が黒と白に渦巻き、体を大きな手で鷲掴みされて捻られるような強烈な不快感。耐え難い不快感に強く瞼を閉じて耐える。
ストン、と不思議な感覚がおりてくる。
不快感など無かったと言わんばかりにいなくなる。
そろりそろりと瞼を開くと一面緑の世界、春はどこぞへ夏のジャングルと言わんばかりの生い茂る木々。
呆然と現実逃避している私に生ぬるい不愉快な風が撫で付ける。
「暑い・・・?」
ここはどこだ、春はどこへ行った。
右を向き、左を向き、下を向いて上を向く。
右は木が生えて左も木が生えて、下は地面が少し露出した草むら、上は木々の間から除く青い空。
「ここはー!どこだー!」
お速いですが、冒頭に戻る。
とりあえず道を歩いてたら暑苦しい所にいつの間にいたってことよ。
林?森?分からんけどめっちゃ木に木が生えてる。
・・・木に木が生えてる?
周りを見渡すと樹齢何百年かと思われるような木がちらほらある中に、木に侵食でもしているかのようにめり込み、入り込み別の木が生えているかのように木が生えていた。
常識ではちょっと考えられない不可思議なソレを見て、不思議だが既視感を覚えるのだ。
「き、気のせい気のせい。木だもん」
寒い寒いと一人ツッコミをしつつゆっくりとその木から離れる。
いやね、知らないよ?知らないけど、知ってる物になってしまったらやばい物になりかわるからね、怖いね。
迷子になったらその場から動かないとか、ここはまず何処だとかを一旦横に置いてその木が見えなくなるまでゆっくりと離れる。
隠密隠密・・・さっき叫んでた自分を殴りたい。
相変わらずの木々。
所々露出している地面を選びながらゆっくりと歩くその足を見てまたしても既視感。
春真っ盛りの日本相応の服に履き古した歩きやすい靴でいたはずだったんだけどなー。
こんなツルリと磨かれたブーツとか履いている記憶はございません。
いや十分歩きやすいよ?でもこれ、最近お気に入りの戦闘靴みたいな・・・
いやでも非現実的な。
ちょっと落ち着け、30秒落ち着け。
最初に戻ろう。原点回帰だ(?)
私は道を歩いていた所、急に知らない所にいる。
季節も春だった所が夏のようにジメジメとして、全然違う場所。
誘拐された訳でもなく唐突にこの場所に。
その1、神隠し
その2、実は誘拐で誘拐された記憶がない
その3、異世界転移
その4、夢の中
選択肢は4つ。私はその1をオススメする。
気候的にアマゾンのジャングルっぽいので、運がよければ帰れるかも知れないからね。
植生からは高速で目を逸らすけど。
まあ一番可能性があるのはその3なんだけどね!
頭がおかしいとか言わないでくれよ?
ちゃんと証拠のようなものはあるから。
では証拠その1。
木に木が生えてる、これ。
既視感とか何とか言ってたけど、バッチリ見覚えがあるんだよねー。
現実じゃなくて非現実だけど。
シム・ウッド
木に共生するモンスター。共生した木に栄養を送り込み、大きくする謎の生態を持つ。
栄養を送り込み、木を異様な大きさに育てるモンスター。
そう、モンスター。
何が非現実かというと、このモンスターは私が遊んでいたVRMMORPG『Dream world RPG』、それに出てきた敵MOBそっくりなのである!
雑に単語を繋げた感じだけど、超有名ゲームだったんだよ。登録者数なんぜんまんにんーみたいなのをよく聞くし。
そう、ゲームなのだ!
私が見覚えのあるのもそうだ、ゲームの中ではあるが目の前にあり、この手で打ち倒した敵なのだから!
コイツ自体は戦う力もなく、共生している木もただの木なのでデカイ木から結構な量のアイテムが取れることも相まって広く知られているモンスターだったりする。
まあコレがシム・ウッドならば逃げる必要はない。戦闘力を持たない、素材用のモンスターだから。
こいつに似たモンスターが実はいる。これがやばい。
戦えないシム・ウッドだと思ったヒトを引きずり込んで捕食するモンスター。
その名もパラ・ウッド。
木に寄生するモンスター。寄生した木のコントロールを奪い、大きくしつつそのうちなりかわるモンスター。
完全に成長するとハイ・パラウッドに変わる。
見た目は完全に一緒、近づいたら最後引きずり込まれる運命・・・。
まあそのまま引きずり込まれてデスる奴は低レベルまでだが、そこそこやっかいなやつ。
寄生した木をあやつり地中から根をこちらに突き刺そうとしてきたりするやっかいなモンスター。
こいつの植生、というかモンスター生はナメクジに寄生虫が寄生したみたいな感じで気持ち悪いんだよなぁ。
なので、万が一、億が一、この世界がDream world RPGだとしたらだよ?引きずり込まれて死ぬ人間になっちゃう・・・。
いやまて、
いやまてよ?
実は私はDream world RPGに接続中に何らかの事故で一部記憶が飛んで、変に記憶がツギハギで実は普通にゲーム中だとか何とか?
あーもう何か選択肢というか現実逃避というか、色々考えちゃう。
現実?非現実?確かめる方法は・・・。
一つある。
VRMMOは、過度な傷や血の表現が規制されている。それを逆利用すればあるいは。
と、いうわけでレッツ自傷タイム!
三分なクッキングのBGMを脳内で流しつつテンション上げてけ!こういうのは勢いが大事。
用意したるは腰に装備されていたナイフ!
ゲーム内では手持ち武器が吹っ飛んだ時とかにこれで戦ったりもしてた一品。
その名も鋼鉄のナイフ。色んなナイフがあるけど、これが一番手に馴染むんだよね。VRで何言ってるのか分からないけど。
これで身体を傷付けて本物の血が出たら現実・・・。
てかさ、これね。
ナイフで自分切るの怖すぎ!
ええいままよ、女は度胸!
サクッ
手の甲をゆっくりと滑る鋭いナイフ。斬れ味はかなり良く、右手で持つナイフに抵抗感は無い。
「い、いたぃ・・・」
この痛み。血。赤い、血。
現実ならではの感触に、私は鈍く光るナイフを見つめて呆然とするのであった。
読まなくても良い情報
モンスターの名前は英語が死ぬほど弱い作者が、
単語 英語 と検索してグーグル英語の発音を聞いて、雑に短縮カタカナにしたりしなかったり