僕が女神様?2
投稿いたしました。
読んで見てください。
「お姉ちゃんの事をどうでも良いでだって?!!」
瞬間、部屋中の空気がピーンと張りつめた感じになったかと思うと、白い粉がキラキラと舞出していた。
「!!うっ! 空気が・・!!」
レティアは、生きなり呼吸困難になりなんとか空気を吸おうと試みるが、その空気そのものが無くなったかの様に呼吸が出来なくなっていた。
リョウは無意識に姉の事をどうでも良いと言われた事に怒りに、部屋中の空気を氷らせてしまっていた。
無論、リョウ自身が意図的にそんな力を使う訳がない。
というより、自分が今どういう状況でどんな事になっているかなんて、今目覚めたばかりのリョウが知るよしもない。
無意識なものによる力だった。
一気に空気が無くなった部屋に向け、周囲の扉や窓から一斉に空気がなだれ込み。今度は物凄い圧迫感をレティアは感じる事になった。
(やはり神王リョウ様だ。まだ目覚めたばかりだというのに。瞬時にこの様な事ができるとは)
いっきに流れ込んだ空気を大きく深呼吸しながら、その力について確信していた。
だた、神王としての記憶が無い状態でこのような力をホイホイ使われては、いつか死人が出る事に注意する必要があるとも感じていた。
「申し訳ありません! 現段階では京華様に行方について確認出来ておりませんが、私の配下の者に探させて必ずご報告致しますので、今暫くご辛抱下さいますようお願いいたします。」
恭しく、頭を深く下げるレティアに、手の力を緩める涼介。
「と、取り合えず、お召し物お持ちしますのでお着替え下さい。」
レティアは頭を下げたまま、リョウへ進言する。
その言葉に何気に自分の身体を見るリョウは、その顔を一気に赤くして、先程の瞬間移動より早くベットに駆け上がりシーツの中に身を隠した。
(い、今の何だった? 物凄く白い肌にやけに華奢な身体だったような? その割に胸が少し膨らんでいたような? それよりもだ! あそこに何も無かった、よね? だいたいなんで!裸なんだよ!!)
「どうかなさいましたか? リョウ様?」
シーツ越しに聞こえて来るレティアの声にビクっと反応してしまう涼介。
「レ、レティアさんだっけ? なんで僕裸なの? それにまさかの女の子なの? 本当に転生したの?!」
混乱する頭をどうにか立て直しながら、疑問をレティアにぶつける。
「お記憶されている事に間違いは無いかと。それと、もともとリョウ様は地球に転生される前はこちらで神王様としてこの地を守護する女神様ですので、女の子という姿は間違いじゃないと思いますが? それも覚えておられないのですか?」
レティアの言葉に、心中穏やかではいられ無かった。
(ちょっと待てよ僕。落ち着け~、落ち着け~・・・・・落ち着け・・るわけないよなあ~。)
頭の中を色々な言葉が目まぐるしく回っていてどうにも考える事が出来ない涼介は、とにかく深呼吸だ!と思い、シーツの中に包まりながら、大きく数回深呼吸をした。
(よ、よし、ちょっと落ち着いたぞ。まずはここは異世界なのだろうか? やはり転生したのか? それならお姉ちゃんもこの世界に転生したとか? 俄には信じがたいけど、目の前にあの女の子が居たし、それに僕の身体がどう見たっておかしいよな?)
そう思い、もう一度確かめる為に、自分の身体を触って確認し始めた。
シーツの中なのでよく見えないけど、どう見ても手足が小さい。
それにこの白さはなんだ? 涼介の時は女の子に見えてもそれなりに外で運動もしていたから若干日に焼けていたりしたはずなのに、この白さは作り物の様に見える。
それにこの髪。
自分の胸位まで伸びたその髪は染めた事など一度も無かったのに、しっとりとした金色の髪色をしていた。
そして胸。
(あん!?)
自分の声に赤面する。
加減が解らず強めに胸を揉んでしまったので、つい変な声を出してしまった。
でもなんだこれ?! 男の胸じゃ無いよな絶対!
改めてゆっくりと手を添えると、小さいけど小さな膨らみを感じるその胸は筋肉質とは到底異なる存在がそこにはあった。
そして最後は、あそこの確認だった。
少し躊躇いが有るものの、結局は自分の身体なんだろうし、もしこれが本当ならこれから長い付き合いをしなければならないのだから、今躊躇しても仕方がない!
と誰に説明しているのか解らなかったが、自分を納得させゆっくりと手を伸ばした。
(・・・・・・・・・・・無い。)
(ああ、何といえば言いのか? こんな姿お姉ちゃんに見せたら・・・・・・喜々として撫で回される気がする・・・・・でも、それはそれで良いかも?)
「あのう、お召し物をお持ちしましたが?」
レティアは恐る恐る、シーツに包まるリョウに声を掛けた。
すると、シーツを少し開けたところから可愛らしい白い手が伸ばされてきた。
「頂戴! 自分で着るから。」
「あ、でもですね・・」
「いいから!頂戴!!」
「は! はい!!」
返事と共に、急いで着物をその白い手に渡すと、目にも留まらぬ速さでその着物はシーツの中へと消えていった。
読んでいただき有り難うございます。




