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僕が女神様?1

投稿いたしました。

(あれ? 僕どうしたんだろう?)


涼介はゆっくりと目を開ける。

頭がボーとして、はっきりとしない。

眠り過ぎて起きた感じに似ている。

視界もぼやけている。

手の甲を重い瞼に当てて、擦ってみる事に。


(ん? これ僕の手だよね?)


顔に触れた手の感覚が何時もと違うような気がした。

何故か、少し小さい様な?

まあ、もともと高校生1年生の男子としては小柄だったし小さかったのはそうなんだけど、今の自分の手は何故かそれより小さく感じられた。


(それにしても、此処は何処何だろう? 天国なのかな? 確か事故に巻き込まれて死にそうになって・・なんか変な女の子が現れて・・転生がどうのこうのと・・あれ? お姉ちゃんはどこに!?)

「お姉ちゃん!!!」


一気に頭に纏わり付いていた靄が霧散する。

上半身を言葉の勢いに乗せて起き上がる。

どうも大きなベットに寝かされていたようだ。

白いシーツを掛けられた大きなベットの左右前後を見回しながら、お姉ちゃんの姿を探すが自分以外、この場所には人っ子一人存在していなかった。


「誰か!! 誰か居ないの!? お姉ちゃん!!」


バタン!!


「お目覚めですか!? 心配しておりました!」


急に大きな音がしたと思ったら、一人の少女がドアを破かんばかりの勢いで開け放ち、半分泣きながら入って来た。

その少女はベットの横まで駆け込んで来ると、立ち止まり膝を付いて頭を下げた。


「た、大変心配しておりました。ご無事の帰還! 心よりお喜び申し上げます!」

「う、ぐす、うう、」

「この日をどれだけ待ち侘びた事か。」

「うう、ぐす、ぐしゅ、うう、」

「これで、この天界もさらに発展、」

「ぐ、ぐす、ぐす、うううう、」

「・・・・あのう? 大丈夫ですか?」


その少女は部屋に入るなり頭を下げた喜びを表現しながらまくし立ていたので、涼介の姿を見ていなかったが、何かを必死に堪えながら泣く声が聞こえて来たので気になり頭をあげた。


そこにはベットの上に座ったまま、大粒の涙を流しながら、キョロキョロと周辺を探す美しい少女がいた。


「ど、どうされました?! リョウ様!」


リョウ様と叫んだ少女は、その涙を見て狼狽する。


「何処か苦しいところとこございますか?! お腹とか痛いですか!?」


肩膝をつく少女は今にも飛び出してしまいそうになるのを必死に我慢し問い掛ける。 


「お、お姉ちゃんが居ない、、、、」

「お、お姉ちゃんでございますか?」

「うん、僕と一緒に居たお姉ちゃんだよ?」


肩膝をついたままの少女は、暫し頭を捻り何かを思い出すように考えていると、徐に手を叩く。


「ああ! あの女性、京華さんのことですか?」

「そう、京華お姉ちゃん! ってあれ君ってもしかして?」

「はい! 地球でお会いしております! レティアと申します。」


レティアは自分の事を覚えて下さっていたと、感激し身を震わすはずだったが、ある事に気付き顔を顔から血の気が引くのを感じていた。


「あのう、リョウ様?」

「何? それより京華お姉ちゃんは何処なの?」

「いえ、その京華お姉ちゃんって、地球に居た時の記憶ですよね?」

「地球? 何それ当たり前じゃない! 変なこと言ってないでお姉ちゃんに会わせて!」

「・・・・それは、無理です。」

「!! どういう事!?」


睨みつける恭介を青ざめたままの顔で見つめるレティアは恐ろしい事を聞かなくてはいけない事に恐怖する。


「リョウ様、リョウ・ゼウレシリウス様と云うお名前が解りますか?」

「誰? それ?」


レティアはその場に崩れるように手を付きうなだれる。

その顔は蒼白を通り越して真っ白となり、血の気を一切感じさせなかった。


(な、なんて云う事なの!? まさか記憶が、)


その場でへたり込んでしまったレティアと名乗る女の子に涼介は、姉の事を聞きたくて声を掛けようとするが周りを一切受け付けない様な暗黒の様な雰囲気に声を掛けようかどうか躊躇していた。


「あ、あの~、レティアさんでしたか? どうかしましたか?」


それでも恐る恐る涼介が聞いてみると、微かに肩をピクリと動かし、ゆっくりと顔をこちらに向けてくれた。


「あ、あの~?」

「せ、せっかくお見つけ、でき、まし、たのに、まさか、まさか! 記憶が!!」


今にも泣き出しそうな勢いで、ベットの上に座る涼介に向かって迫るレティア。


「あの~事情はよく解りませんが、何故お姉ちゃんに会えないのか教えて下さい!」


事情を飲み込めない涼介は、もう一度強めな口調でレティアに問いただす。


「そんな事、どうでもいいです。それより神王様の記憶の方が・・って?!!」


レティアは驚愕する。

全く気配も素振りも感じ無かったのに、いつのまにかベットから降り、自分の胸倉を掴んで恐怖の瞳で睨まれていたからだ。

ありがとうございます。

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