相対的に平凡以下の俺
解放されていない屋上。
多少混雑する程度の食堂。
騎馬戦のない体育祭。
後夜祭のない文化祭。
権力を持たない生徒会。
勤勉ではない風紀委員。
そこそこのイケメンも、そこそこの可愛い子もいるが、学年一の美少女やイケメンなどと称される生徒は1人もいなくて。
ツイッターのユーザー名を本名、もしくは渾名にしているチャラい奴ら。クラスラインにガチのユーザーネームで参加するオタクな奴ら。ボッチな奴もいれば、真面目過ぎる程に勉学に励む奴もいる。
クラス全員が仲良しではないけれど、カーストと呼べる程のものは存在しない。
内申点を気にする奴は推薦で大学受験をするやつだけで、そんな奴は極少数。だから先生が成績を脅しの材料に………なんて事はありえないし、意味がない。
虐めは確かに存在していた。でもそれは、かつあげだとか暴力だとかではなくて、関わりたくないから素っ気ない対応をする。その程度のいじめだった。
される側からすればたまったものではないのかもしれないが………まあ、されていた奴はそれなりの理由があったし、どっちも同じくらい悪いので、どちらかを責めるなんて無理な話だ。
こんな世界で青春なんて送る事が出来るのだろうか?仮に青春を送ったと言う人がいて、はたしてそれは本当に青春と呼べるレベルのものだったのだろうか?
物語が終わった後に出てくる“〇年後”。そこには大人になった主人公とヒロインが仲良くしている描写があった。
我々の青春に、そんな続きはあるのだろうか。
この世界は自分を中心になど回ってくれない。
でも、物語の世界は常に主人公を中心に回っていて、そんな主人公達は口を揃えてこう言うのだ。
“僕の名前は〇〇。何処にでもいる平凡な高校生だ”
我々より崇高な存在である主人公様がこう言うのだ。ならば我々が同じ自己紹介をするのは烏滸がましい。
さあ、背筋を伸ばし、襟を正して我々の自己紹介をしよう。
「僕の名前は〇〇。何処にでもいる平凡以下の高校生だ」
こんな感じで始まる物語を書いてみたい。青春要素は少なめで、友達とバカする感じのお話。主人公に彼女は作らせない方針で(笑)
自分の高校生活の感想と同じ“楽しかったけど、クソみたいな3年間だったな。2度と戻りたくない”みたいなラストで締めたい。
書くかどうかは分からんけどね