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妄想癖

作者: 中野宮島子

道で歩いている人

ベンチに座っている人

車に乗ってるお兄さん

笑顔で歩く母娘


いつだって妄想してしまう、殺害される瞬間。



【妄想癖】


私には少々困った癖がある。

人の死を、それも目に入った人たちほぼ全員の死を妄想してしまうことだ。


一年前くらいからずっと続いてしまっているこの癖。

自分でも頭がおかしいのではないかとは思うが、無意識に頭に浮かんでしまうのだから仕方がない。


それも、ただ死ぬ瞬間ではない。

明らかに殺害されたような死に方の妄想をしてしまうのだ。


例えば、ベンチで寝ている人がいたら近くの石で頭を殴るだとか、駅の中を歩いているサラリーマンの後ろから首筋を切りつけるところだとか。


「殺された」よりも「殺した」という表現の方が近いのかもしれないな。


危険な妄想だが、実行に移してないならまだ大丈夫だろう。



しかし私の妄想は本当におかしい。

この間デパートを歩いていたら、階段近くの幼い少女を下へ投げ落とす妄想をしてしまった。


それに、その前にはスタイルのいい女の人が夜道を歩いているのを見て、身体をバラバラにして彼女の身体を貪り食うところを妄想した。



思い出すだけで怖い妄想だ。


一度病院にでも行った方がよいのだろうか。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「いち‥‥‥びょぅいん‥‥‥」



白塗りの壁と一面が内部が見えるように強化ガラスがはめ込んである部屋。


その中で、芋虫のように縛られた中学生くらいの少女が薄ら笑いを浮かべながら独り言を言っている。


彼女の様子を大きなガラス板の向こうから見ている男たちが何やら話している。


「一年間、あれだけの殺戮をしてもなかなか捕まらなかったっていう殺人鬼がこんなガキだなんてな」


小太りの男が不快感に顔を歪ませながら言う。

その様子を見ながら、隣に立っていた長身で目つきの悪い男が、彼の言葉に返答を返す。


「この子、学校に通っていたら中学二年生みたいですよ。中一のときに家族を交通事故で亡くして、天涯孤独の身だったそうです。」


「家族を失ったショックで幻覚症状起こして‥‥現実と妄想の区別がつかなくなって殺戮か‥‥」


「彼女が起こしたと思われる事件は1年で58件あります。中には人食いも行ったとか‥‥」


「‥‥なんというか‥‥」


哀れなだな、小太りの男の言葉に長身の男は肯定の意を表しながらガラス板の中の彼女を見つめた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



あれ、私なんでうごけないんだろう。


なんか、白くて綺麗なへやだなぁ。

病院かな?


向こうに誰かいる‥‥

あの服は‥‥‥警察かな‥‥?



なんで警察が‥‥

‥‥夢かな‥‥



‥‥‥‥やだなぁ私。

夢の中でまであの妄想しちゃうなんて。


あぁ、本当に頭がおかしいのかな。









マァ、妄想ダカライイヨネ?








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



『‥‥緊急ニュースをお伝えします。昨夜2時、一昨日逮捕されたとされる殺人犯が脱走したとの情報が入りました。犯人は拘束具を破壊し、見張りの警察官の男性2名を目を潰した上で殺害し、逃走中とのことです。繰り返します。昨夜2時‥‥‥』




怖いニュースだなぁ。

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