25/25
05
──まだだ。
爆風のその刹那の。
──まだ上がる。
光が瞬くその一瞬を。
──まだ、行ける!
ブラン・エフェメラルは、蒼衣は、鋼介は、潜り抜ける。
そして体現する。到達する。機体コンセプトへ。白に与えられたその名の存在意義へ。 ブラン・エフェメラル(誰も追いつくことのできない刹那)へ。
「────ぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「────ぅああああああああああああああああああああああああああ!!」
そして照準。
火力のすべてを躱しきったブラン・エフェメラルが相手の懐に潜り込んだ。
ここが領域。
──斬る。
自分が持つ刃以外の煌めき──オニキス・ブラックの最終兵装・フォトン刃が振るわれるが、もう届かない。八基のブーストを瞬時に爆発させたブラン・エフェメラルは、既に数十メートル後方で、静かに佇んでいた。
腕から伸びたフォトン刃を振り払う。
光の刃はそのあとすぐに形状を失い、淡く光って消えていった。
おかえり、感情。




