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キャンプに連れ帰ってから、その人は、すぐに目を覚ましました。
僕は、名前を聞きました。
好きに呼んだらいいと、その人は言いました。
影を重ねるのはよくないことです。だって、その人はその人ですから。その人という個人ですから。
でも、それでも。
僕はその人を、漆原蒼衣と──蒼衣姉ちゃんと呼ぶ他なかったのです。
そして今日、こんにち。蒼衣姉ちゃんは誕生日を迎えます。今年は間に合いました。
何がって? それは当然、プレゼントですよ。あとは加工するだけ。
ともかく、これが、僕が持っている大事なものの話です。




