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カイズは、唸っていた。

「どうなっているんですか?カイズさん」

ここの冒険者ギルドのリーダー、アルイトが信じられない、という顔で尋ねてくる。

その気持ちは、カイズにもよく解っていた。

自分でもあの時の出来事は信じられないという思いでいっぱいだった。

目の前で、見せられたら、その衝撃は、比べるもんじゃねえしな。

心中で呟く。


「ああ、本当だ。盗賊の頭、ダート。その他の奴等は、皆、そいつが殺った。」

そう言ってテーブルの向こうを指差した。

差した先には、杖を持って椅子に座っているフードで顔を隠している盲目の少年がいた。

「信じられませんよ。あんな少年に、というより、盲目の少年が、ダート達を倒したなんて」

「お前の気持ちは、非常に解る。だが、俺が嘘を言う顔をしているか」

真剣な顔をして言うカイズにアルイトは、余計に信じられないと思ったが、カイズの表情から見て、嘘じゃないと思うようになっていた。

しかし、疑念は消えなかった。

「カイズさん。後で訓練所にその子、呼んでおいてくれませんか」

「おいおい、アルイト、お前、まさか」

カイズはアルイトの意図に気づいて止めようとした。

「カイズさんの事は疑ってませんが。やっぱり自分で確かめる方がいいので」

「わかったよ」

カイズはアルイトの様子を見てあきらめた。

「すいません。勝手な頼みで」

「いいって。正直、お前にそんな気があるのかと思ったよ」

「カイズさんならわかっているでしょう」

カイズは苦笑して、まあな、と答えた。


「じゃあ、準備してきます」

アルイトは自室へ向かっていった。

カイズはそんな後ろ姿を見て苦笑して頭を掻いた。



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