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その後

ダートが、腹から血を出し倒れた瞬間、手下の男達、人質となっていた少女やカイズ達は目の前で起こった事に信じられないとばかりにその光景を唖然と見ていた。


「う、うそ、だろ」

「お頭が、殺られた」

「な、なんなんだ!?あのがきッ!」

「信じらんねえ」

現実に目が覚めはじた男達は、驚愕し、体は、震えていた。

少年は、自分が倒したダートを一瞥して手を合わせた。


『悪党とは言っても、命を奪ったからな』

少年は、命を奪った者として、せめてもの行いであった。

少年は、ダートの魂の安らぎを祈るのであった。

祈りを終えた少年は、男達の方を見た。

まるでそっちに人がいるのがわかっているように。


『あっちに、〝気〟が多いな。そして、あそこでうずくまっている〝気〟の塊のようになっているのは僕と一緒に馬車に乗っていた人達か』


少年は、杖を突きながらそっちの方へ歩いて行った。

そして、人質となっている人達の前で止まった。


「あ、あの、」

その時、その目の前にはあの少女がいた。

それは偶然だった。

少女は、何かを言おうとした。


「死ねぇ!」

その時、少年の背後から少年に斬りかかろうとする盗賊の一人がいた。


「危ないっ!」

少女は、おもわず叫んでいた。

しかし、その必要は不要だった。

少年には、大したことではなかったからだ。

男が斬りかかろうとした瞬間、持っていた杖を後ろに突いたのだ。杖は見事に男の腹に入り、男は攻撃の邪魔をされた。しかし、少年はそこで終わらず、男の方に振り向くと同時に抜刀して、男の剣を手から弾いた。

そして、男の首筋に切っ先を突きつけた。

男は、恐怖で動けずにその場にへたりこんでしまった。

少年は男の様子を気にせず少女の方に向きを戻した。

もし、少年に目と耳が、見え、聞こえていたら、少女の驚きの表情と「あなたは、一体」という言葉が見え、聞こえていただろう。

少年は、少女の状況が解るのか、刀を持っていない手でポンポンと肩を優しく叩いて落ち着かせた。

その後、少年は、目が見えないというのが嘘になる程の手際で人質となった全員を解放した。

その後、解放されたカイズ達が、恐怖で動けなくなった盗賊達を捕らえ、事件は、一件落着となった。しかし、事件の事情聴取のために全員は元の街に戻る事になった。


そして、その場にいた全員は、あの少年が

いない事に気づいた。

「おい!彼は!?」

「いた!あそこだ!」

カイズの仲間の一人が少年を見つける。

その後、少年を街に連れていくのに苦労したのは、別の話である。


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