黒と白の縁
めをさますと、しらないおんなのひととおとこのひとがいました。
おとこのひとはこわいかおで、えほんでみた“つるぎ”をぼくにむけていました。
ぼくがじーっと、みているとおんなのひとはぼくをぎゅっとしておとこのひとをおこりました。
おんなのひとはやさしそうで“あの子”みたいでした。
クロはわるいいろ ふきつないろ
でも、おんなのひととおとこのひとはクロをまとっていました
まっしろはつめたかったけど、ぼくいがいのクロはあたたかくて・・・・・
「ぼく、けされてもいいです・・・・・」
おとこのひとをみながらわらった。
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今、この子供は何と言った?
姫様の腕に抱かれた子供は先ほどまで剣を向けていた私に微笑み。
姫様もそのお言葉に驚かれたようで、目を見開きその瞳に悲しみを宿した。
「なぜ・・・・、そのようなことを・・・・・」
「ぼくは、ふきつのいろ、いきてちゃいけないって・・・・・、」
たどたどしく子供から紡がれる言葉に驚きを隠せずにいる。
子供のぼろぼろの腰布の辺りに紙が括り付けられていることに気づき紙を解くと、それは手紙だった。
「これは・・・・。」
「ティート、どうしたのですか?」
書いたのは子供だろうと思われるたどたどしい文字。
自身の国の言葉でなく不自由な異国の字を必死に書いたのが分かる字。
“あにさま、たすけて
しろは だめ
あにさま しんじゃう”
鴉国の言葉で書かれ終わりにLUCE<ルーチェ>の国の王子の名が書かれていた。
何という因果
この廻り逢わされた縁
云うならば運命のようだ