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プロローグ
東西南北、四つの大陸のある世界。ヒューマンやエルフ、ドラゴニュートをはじめとするヒト種族の間にとある異変が起きていた。
ある時期を境に男児の出生率が急激に落ちていったのだ。
年々落ちて行く出生率。
最も人口の多いヒューマンの間では一夫多妻制が義務化されるほどだった。
そんな中、生まれる男児は蝶よ花よと育てられ、国からの手厚い保護を受けるのが当然となっていた。貴重な子種として。
後の歴史で<種の飢饉>と呼ばれる時代、東の帝国貴族のマクドガル家に待望の男児が生まれた。
名をユーリ。先祖がえりの黒髪黒目の異端児は、父に複数の母、多くの異母姉達に大事に育てられた。
家族の愛を一身に受けて育つユーリはすくすくと成長する。
そんなユーリ、16歳の春。
彼は家出をした。
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初回投稿につき、次回更新第1話は4月8日0時を予定しています。




